リガレアス行政書士事務所の広瀬(@tatsu_ligareus)です。

外国人の方が日本に入国する際や滞在する時に必要なものとして、ビザや在留資格があります。おそらくほとんどの方が混同して使っていると思いますが、実はこの二つは全く別のものであることを知っていますでしょうか。

在留資格やビザについて、これまで外国人の在留資格手続きを行なってきた担当者でも正確に理解している方は少ないと思います。しかし、外国人を雇用する企業にとって、在留資格について正しい知識を持つことはとても重要です。

そこで今回は、専門家である行政書士が在留資格とは何かということを中心に詳しく解説していきます。また、意外と知られていない在留資格とビザ(査証)との違いについても説明しますので、本記事をお読みいただければ在留資格やビザについてご理解いただけるはずです。

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在留資格とは?

在留資格は、外国人が日本に滞在するために必要なもので、在留資格を持っていなければ日本に在留することはできません。在留資格を持たずに日本に滞在している場合には、不法滞在となってしまいます。

また、在留資格とは、外国人が日本で行える活動を類型化したもので、2022年11月時点で全部で29種類あります。在留資格ごとに行える活動が定められていて、認められた活動のみを日本で行えます。

例えば、大学に通う場合には「留学」、エンジニアとして働く場合には「技術・人文知識・国際業務」などです。在留資格で認められていない活動は日本で行うことができませんし、同時に複数の在留資格を持つこともできません

在留資格とビザ(査証)の違い

在留資格は外国人が日本に在留するために必要な資格で、在留資格ごとに行うことができる活動が決められているものであることは説明しました。

一方でビザ(査証)とは、日本に入国しようとする外国人が持っているパスポートが真正で、日本への入国に有効であることを「確認」するもので、ビザ(査証)に記載された条件により日本に入国することに問題がないことを「推薦」するものです。ビザ(査証)は日本に入国した時点で役割が終わります。

つまり、ビザ(査証)は日本に入国するためのもので、在留資格は日本に滞在するためのものになります。このように両者は全く性質が違うものです。

また、ビザ(査証)を管轄するのは外務省で、ビザ(査証)の申請や審査、発給を行うのは日本大使館や総領事館です。他方、在留資格を管轄するのは法務省で、在留資格の申請や審査、許可を行うのは出入国在留管理庁となり、それぞれ管轄機関も異なります。

在留資格とビザ(査証)の違い

在留資格ビザ(査証)
目的日本に滞在するため日本に入国するため
管轄機関法務省(出入国在留管理庁)外務省(日本大使館・総領事館)

 

一般に「在留資格」が「ビザ」と呼ばれ、混同されていることが多いです。我々もわかりやすいように在留資格をビザと便宜上使用することもありますが、正しくは上記のように全く別のものになります。

在留資格確認の重要性

外国人は在留資格を持っていなければ日本に滞在することはできませんので、日本に在留する外国人にとっては最も大切なものです。実は、外国人を受け入れる企業や教育機関にとっても在留資格はとても大事なことです。

前述のように、外国人が日本で行うことができる活動内容は、在留資格ごとに異なります。就労ができる在留資格とできない在留資格があり、就労ができる在留資格でもその内容に制限があるものがあります。

就労できない外国人を採用してしまったり、就労可能な在留資格を持っていても在留資格で認められた活動内容と違う業務を行わせてしまったりすると、企業は不法就労助長罪に問われてしまいますので、外国人の在留資格を確認することは重要です。

ただ、在留資格を確認することの重要性がわかっても、何を確認すればよいのかがわからなければ意味がありません。外国人を受け入れる担当者も在留資格について正しい知識をもつ必要があるでしょう。ここからさらに在留資格について詳しくみていきます。

外国人を採用する際に必要な手続きや注意点、不法就労助長罪については、こちらの記事もお読みください。

在留カードとは?

在留カードとは、中長期在留者に対して、日本入国時や在留資格の変更許可時、在留期間が更新された時などに交付されるカードで、日本に滞在する外国人にとって身分証の役割を果たすものです。

在留カードには、氏名、生年月日、性別、住所、国籍、在留資格、在留期間、就労制限の有無などが記載され、16歳以上の方は顔写真も付いています。

就労制限の有無に「就労不可」の記載がある場合は、雇用することはできません。ただし在留カードの裏面に資格外活動許可の記載がある場合は、1週間に28時間以内といった限定的に働くことが認められます。

外国人は在留カードの常時携帯義務がありますので、常に在留カードは持ち歩かなければなりません。もし在留カードを携帯していない場合には、20万円以下の罰金に処されることがあります。

一方で以下のような方は中長期在留者に該当しないため、在留カードは発行されません。

  • 3ヶ月以下の在留期間が決定された人
  • 「短期滞在」の在留資格が決定された人
  • 「外交」または「公用」の在留資格が決定された人
  • これらの外国人に準ずるもの(例:台湾日本関係協会の日本の事務所や駐在パレスチナ総代表部の職員、その家族など)
  • 特別永住者
  • 在留資格を有しない人

在留カードを持っていない方でも、3ヶ月以下の在留期間の方や「外交」、「公用」をもつ方、特別永住者の方は日本で働くことは可能です。

在留資格の種類

在留資格は全部で29種類あります。

29種類のうち、身分や地位に基づいて与えられる「居住資格」と活動内容に基づいて与えられる「活動資格」の2つに分類され、さらに「活動資格」のうち、就労ができる在留資格と就労ができない在留資格に分けられます。それぞれみていきましょう。

居住資格

就労制限がない在留資格(地位や身分に基づく在留資格)

在留資格該当例
永住者永住の許可を受けた者
日本人の配偶者等日本人の配偶者や子供
永住者の配偶者等永住者の配偶者や子供
定住者日系3世、外国人配偶者の連れ子

 

上記の在留資格は、身分や地位に基づいて与えられる居住資格で、就労制限がない在留資格です。就労制限がありませんので、日本人と同じように働くことができます。

活動資格

原則的に就労できない在留資格

在留資格該当例
文化活動日本文化の研究者
短期滞在観光客、会議参加者
留学大学、専門学校、日本語学校の生徒
研修研修生
家族滞在在留外国人が扶養する配偶者や子供

 

上記の在留資格を持つ人は、原則日本で就労することができません。ただし、資格外活動許可を取得すれば、その範囲内で働くことは可能です。

よくある例としては、「留学」の在留資格を持つ人が資格外活動許可を取得して、1週間に28時間以内で働くことなどです。時間の制限はありますが、風営法に関する仕事以外であれば業務内容に制限はないため、単純労働から高度で専門的な業務まで行うことができます。

資格外活動許可については、以下の記事もお読みください。

ケースによって就労可能な在留資格

在留資格該当例
特定活動ワーキングホリデー、インターンシップなど

 

「特定活動」は、他の在留資格に該当しない活動を行う外国人について、法務大臣が個々に活動を指定する在留資格です。活動内容はワーキングホリデーやインターンシップ、アマチュアスポーツ選手など1号から50号まであります。

「特定活動」を取得した場合、パスポートに「指定書」という紙が貼られ、その「指定書」に日本でできる活動内容が記載されています。

定められた範囲で就労可能な在留資格(就労ビザ)

在留資格該当例
外交外国政府の大使、公使及びその家族
公用外国政府の大使館、領事館の職員及びその家族
教授大学教授
芸術作曲家、画家、写真家
宗教外国の宗教団体から派遣される宣教師、神父
報道外国の報道機関の記者、カメラマン
高度専門職ポイント制による高度人材
経営・管理企業の経営者、管理者
法律・会計業務弁護士、公認会計士
医療医師、看護師、薬剤師
研究政府関係機関や企業の研究者
教育中学校、高等学校の語学教師
技術・人文知識・国際業務エンジニア、通訳、デザイナー
企業内転勤海外からの転勤者
介護介護福祉士
興業プロスポーツ選手、演奏家、モデル
技能外国料理の調理師、パイロット、スポーツ指導者
特定技能特定産業分野に属する技能を要する外国人
技能実習技能実習生

 

上記が一般的に「就労ビザ」と呼ばれる在留資格の一覧です。「就労ビザ」といってもこれだけの種類があります。

活動内容によって在留資格が決まっていますので、例えば「技術・人文知識・国際業務」を持っている人が大学で教えることはできません。もしそのような場合には在留資格を「教授」に変更する必要があります。

在留資格に関する手続き

在留資格に関する手続きは、大きく分けて次の4つの手続きがあります。

  • 在留資格認定証明書交付申請
  • 在留資格変更許可申請
  • 在留期間更新許可申請
  • 在留資格取得許可申請

それぞれ解説していきましょう。

在留資格認定証明書交付申請

日本に上陸するための条件には以下のようなものがあり、全てを満たさなければ日本に上陸することができません。

  1. 旅券や査証が有効であること
  2. 日本で行う活動が虚偽でなく、在留資格に該当し、上陸許可基準にも適合していること
  3. 在留期間が法務省令の規定に適合していること
  4. 上陸拒否事由に該当していないこと

在留資格認定証明書とは、上記の条件のうち、2について適合していることを証明するもので、この証明書を提示することで査証申請や上陸審査がスムーズに行われます。在留資格認定証明書がないと、査証申請や日本への上陸ができない場合があります。

このように、日本に在留しようとする外国人は、まず在留資格認定証明書を取得する必要があり、これを取得するための申請が在留資格認定証明書交付申請です。

この申請は、日本にある出入国在留管理局で行いますが、外国人は日本にいないため、日本の受入機関などが代わりに申請を行います。

在留資格認定証明書が交付された後に、査証申請を行うのが一般的な流れです。

在留資格変更許可申請

繰り返しになりますが、活動内容によって在留資格が異なります。

日本の大学に留学生としている外国人が日本の企業の営業職として就職が決まった場合、「留学」の在留資格では日本の企業で働くことはできません。そのため、在留資格を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に変更する必要があります。

このように、日本での活動内容が変わる際に行う手続きが在留資格変更許可申請です。在留資格変更許可申請は、外国人が居住する地域を管轄する出入国在留管理局で申請を行います。許可されると新しい在留カードが発行され、新しい在留資格での活動が認められます。

在留期間更新許可申請

在留資格に関する申請を行い許可が出ると、在留資格と共に在留期間が与えられます。在留資格によって与えられる在留期間が異なりますが、最長で5年です。

在留期間更新許可申請とは、与えられた在留期間を超えて日本に在留する場合に必要な手続きとなります。在留期間更新許可申請を行わずに在留期限を超えてしまうとオーバーステイとなり、退去強制事由に該当してしまいます。

オーバーステイについてはこちらの記事で解説していますのでお読みください。

在留期間更新許可申請は、在留期限日の3ヶ月前から行うことが可能です。在留資格変更許可申請と同様に、外国人が居住する地域を管轄する出入国在留管理局で申請を行い、許可されると新しい在留期間が与えられた在留カードが交付されます。

在留資格取得許可申請

在留資格取得許可申請は、日本との二重国籍の人が日本国籍を離脱した場合や日本に住む外国人夫婦が子供を出産した場合など、上陸許可を受けることなく日本に在留することになる外国人が、日本に在留を続ける際に必要な手続きです。

この手続きは、日本国籍離脱や子供の出生の日から30日以内に行わなくてはなりません。もし30日以内に手続きを行わないと不法滞在となってしまいます。ただし、国籍離脱の日などから60日以内に日本を出国をする場合は、在留資格取得許可申請は不要となります。

在留資格の取り消し

日本に不正に入国したり、日本で在留資格に基づく活動を行なっていない場合に、在留資格が取り消されることがあります。在留資格が取り消される理由は大きく以下の3つに分類されます。

  • 不正な手段で許可を受けた場合
  • 在留資格に基づく活動を行なっていない場合
  • 住居地の届出を行わないまたは虚偽の届出を行なった場合

上記のいずれかに該当して在留資格が取り消されると退去強制となり、日本を出国しなければなりません。その後、一定期間日本に入国することができないことができなくなります。

在留資格の取り消しについては、以下の記事で詳しく解説しています。

さいごに

ここまで在留資格を中心に解説してきました。在留資格について、外国人の在留資格手続きを行なってきた担当者でも理解している方は少なかったと思いますが、本記事をお読みいただきご理解いただけたと思います。

また、在留資格とビザ(査証)は混同して使われることが多いですが、在留資格は日本に滞在するためのもの、ビザ(査証)は日本に入国するためのものであり、全く別の性質のものであることがおわかりいただけたはずです。

在留資格は日本に在留する外国人にとって最も大切なもので、もし必要な手続きを忘れてしまったり間違った手続きをしてしまうと、日本に入国・在留できなくなってしまうこともあります。外国人を受け入れる担当者も在留資格について正確な知識を持ち、外国人に対して必要なアドバイスやサポートをすることが大事でしょう。

リガレアスでは、外国人の在留資格申請手続きのサポートはもちろん、顧問契約による在留資格に関する相談、ビザらくによる在留管理など、外国人の在留資格に関するさまざまな支援をしております。

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