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資格外活動許可とは?留学生のアルバイト時に必要な申請方法・注意点について

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リガレアス行政書士事務所の広瀬です。

近年、コンビニやスーパーなど、さまざまな場所で外国人が働いているのを見かけます。コンビニでのレジ打ちや品出しなどのいわゆる単純労働に当たるようなものは就労の在留資格がないため、ほとんどが留学生によるアルバイトでしょう。

厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の届出状況表一覧によると、2020年10月末時点で、資格外活動許可を持ちアルバイトをしている外国人留学生は30万人を超えています。

 

在留資格別外国人労働者数
2020年10月末現在                               (単位:人)
専門・技術的

在留資格

特定活動 技能実習 資格外活動 身分系

在留資格

外国人

労働者数

359,520 45,565 402,356 370,346 306,557

(留学生)

546,469

(参考:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況表一覧』

 

2019年5月1日時点での留学生数が約31万2千人(2019年度外国人留学生在籍状況調査結果)であることから考えると、ほとんどの留学生が日本でアルバイトをしていることになります。

このように多くの留学生が日本でアルバイトをしていますが、留学生がアルバイトをするためには、資格外活動許可が必要です。

今回は、日本に在留する留学生の資格外活動許可について、注意点も含めてわかりやすく解説致します。外国人留学生はもちろん、留学生が在籍する大学や専門学校などの職員の方も是非ご参考ください。

 

資格外活動許可とは?

 

まずは、資格外活動許可とは何かについて解説していきましょう。

そもそも「留学」の在留資格では、報酬を得る活動(アルバイト)をすることはできないため、留学生が日本でアルバイトをしようとする場合には、資格外活動許可(=現に有する在留資格で認められていない活動をするための許可)を取得しなければなりません。

主な在留資格については下記の記事で解説していますので併せてご覧ください。

関連記事:「日本で働く外国人にとってビザが重要な理由|行政書士が求められる背景も併せて解説」

 

資格外活動許可がないままアルバイトをすると、不法就労になります。アルバイトをする前には、必ず資格外活動許可を取得しましょう。なお、資格外活動許可を得ずにアルバイトをしてしまうと、退去強制(いわゆる強制送還)に該当してしまいます。

次に、資格外活動許可について、少し深掘りして説明します。

実は資格外活動許可には2種類あるのをご存知でしょうか。

 

・包括許可

・個別許可

 

この2種類の許可の違いを意識して申請をしている留学生はほとんどいないと思います。大学や専門学校の職員の方でも知っている方はほとんどいないでしょう。

ほとんどの留学生は、知らずに包括許可で資格外活動許可を受けていると思いますが、ある一定の場合には、個別許可で資格外活動許可を受けなくてはなりません。留学生に間違った案内をしないためにも、学校の職員の方は二つの違いについて知っておく必要があります。

 

包括許可

 

「留学」の在留資格を持ち、以下のいずれの要件にも該当する場合には、アルバイト先や仕事内容に関わらず、1週28時間以内のアルバイトについて、一律かつ包括的に資格外活動が許可されます。

 

・アルバイトをすることで、留学生としての活動が妨げられないこと

・「留学」の在留資格に係る活動(学校に通うこと)を維持していること

・法令に違反する活動でないこと

・風営法に関わる職種でないこと

・収容令書の発付を受けていないこと

 

つまり、上記の要件を満たしていれば、アルバイト先が決まっていなくても、資格外活動許可を受けることができ、一般的には、ほとんどの留学生が個別許可による資格外活動許可を受けています。

なお、継続就職活動もしくは内定待機目的の「特定活動」を持つ卒業生も同様に、包括的に資格外活動許可を取得することができます。

 

個別許可

 

包括許可の範囲外の活動に従事する場合は、個別許可を受けることになります。具体的な例として、長期休暇期間以外で1週28時間以上のインターンシップを行う場合です。

この場合の条件として、

就職活動の一環として職場体験を目的とする、いわゆるインターンシップ活動で、

①「留学」を持って大学(短期大学を除く)に在籍し、卒業を迎える年度で、卒業に必要な単位の9割以上を修得している留学生

または

②「留学」を持って大学院に在籍し、卒業を迎える年度の留学生

または

③継続就職活動もしくは内定待機目的の「特定活動」を持つ卒業生(短期大学卒業者、専修学校専門課程修了者含む)

 

このような場合であれば、インターンシップ先の会社や業務内容などを定めて、資格外活動許可を受けることになります。

包括許可とは違い、勤務先や業務内容、報酬額などを事前に決めておかなくてはいけません。

例えば上記③の専修学校専門課程修了者については、インターンシップ活動と専攻した科目との関連性が求めらるなど、一律に許可される包括許可とは異なり、審査によっては資格外活動が許可されないケースもあります。

 

資格外活動許可が必要ないケース

 

例外的に、報酬を受けていても資格外活動許可が必要ない場合もあります。

例えば、大学院生が学部学生に対して教育補助を行うTA(ティーチング・アシスタント)や、研究補助者として大学の研究プロジェクトに参画させるRA(リサーチ・アシスタント)として大学と契約し、報酬を受けている場合です。このようにTAやRAとして活動する場合には、資格外活動許可を持たずに働くことができます。

また当然ですが、報酬が発生しない場合には、資格外活動許可は必要ありませんので、無報酬のインターンシップなどであれば、資格外活動許可の取得は不要です。

 

資格外活動許可の申請方法

 

続いて、資格外活動許可の申請方法について説明していきます。ここでも、包括許可か個別許可かによって申請方法が異なります。

 

包括許可申請

 

包括許可で資格外活動許可申請をする場合には、申請方法は二つあります。

 

・出入国在留管理局での申請

・入国時の空港での申請

 

出入国在留管理局での申請

 

他の在留申請と同じように、留学生が住んでいる地域を管轄する出入国在留管理局で行う申請です。

入管が公表している標準処理期間は2週間から2ヶ月で、包括許可であっても、その場ですぐに許可がもらえるわけではありません。当事務所が申請をすることが多い東京出入国在留管理局でも、申請を行なってから1ヶ月程度かかることが多いです。

アルバイト開始前までには資格外活動許可を取得しておかなければなりませんので、時間に余裕を持って申請することを心がけましょう。

 

入国時の空港での申請

 

「留学」の在留資格で「3月」を超える在留期間を持ち、新規で入国する留学生については、入国する空港で資格外活動許可を申請することにより、包括的に資格外活動許可を受けることができます。

ここで注意しておきたいことは、入国時の空港での申請の際は、新規入国であるということです。すでに日本に在留している留学生が、一時的に海外へ出国して、日本に再入国する場合には空港で資格外活動許可を申請することができません。

また、「3月」を超える在留期間を持っている必要があるため、短期的な交換留学生などは空港で資格外活動許可を申請することができません。

新規入国の場合、その場で資格外活動許可を取得できるため、アルバイトをするしないに関わらず、新規入国時に資格外活動許可を取得しておくことをお勧めします。

 

新規日本入国時

日本入国後

申請場所

入国時の空港 居住地を管轄する出入国在留管理局

審査期間

その場で許可 2週間から2ヶ月

必要書類

申請書、パスポート、在留カード 申請書、パスポート、在留カード

 

なお、新規日本入国時の資格外活動許可申請書は、出入国在留管理局で申請する時の申請書と比べ簡易的なものになります。

 

個別許可申請

 

個別許可で資格外活動許可を申請する場合は、必ず留学生が住んでいる地域を管轄する出入国在留管理局で行います。新規入国時に空港で申請することはできません。

また個別許可申請は、申請に必要な書類の点でも包括許可申請と異なります。

勤務先や業務内容などを定めておく必要があるため、業務内容や期間、報酬額などが記載されている書面の提出が必要です。また、例えば前述の大学生や大学院生が行う1週28時間を超えるインターンシップの場合、在学証明書や単位修得状況がわかる書類を提出しなければなりません。

包括許可、個別許可いずれの場合でも、許可を受けるとパスポートに資格外活動許可証が貼られ、在留カードの裏面に許可のスタンプが押されます。

 

資格外活動の注意点

 

資格外活動(アルバイト)を行う際に注意しなければならないことがいくつかあります。

アルバイトをする前に資格外活動許可を取得しておくことは当然ですが、特に次の点に注意しましょう。

 

・アルバイトが認められる時間

・アルバイトが認められない職種

 

アルバイトが認められる時間

 

アルバイトが認められるのは1週につき28時間です。

ここで勘違いされている方が多いのですが、1週とは月曜日から日曜日までの1週間ではありません。どの曜日から起算した場合でも28時間以内でなければならないということです。

上の図のように、月曜日から日曜日であれば28時間以内になりますが、水曜日から起算すると29時間となります。この場合、資格外活動違反になってしまいます。

アルバイトを行う際、この点は注意が必要です。

さらに、掛け持ちをしている留学生も多いと思いますが、一つのアルバイト先で28時間ではなく、全てのアルバイト先での勤務時間を合わせて28時間以内でなければなりません。

なお、長期休暇中は1日8時間以内のアルバイトが認められます。この長期休暇とは、学則で定められている夏季休暇や冬季休暇を指します。

たまに、学費を稼ぐために休学をして、1日8時間のアルバイトをしたいといった相談を受けることがありますが、もちろんこれはできません。休学期間を長期休暇と捉えてアルバイトをすることはできませんので注意してください。

 

アルバイトが認められない職種

 

留学生の資格外活動許可によるアルバイトは、コンビニでのレジ打ちなどの職種にも就くことが可能です。こういった、いわゆる単純労働と呼ばれるような、就労の在留資格では認められない職種にも就くことができるため、日本の労働力不足を支える大きな役割を果たしていると言えます。

ただし、留学生の資格外活動許可によるアルバイトでも認められない職種があります。それは、風営法(「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」)に関わる職種です。キャバクラやスナック、バーなどで働くことは禁止されています。また、パチンコ店やゲームセンターなども風営法に関わる職種となるため、こういったお店で働くこともできません。

さらに、風営法に関わる一切の職種が禁止されているため、こういったお店でキッチンや清掃として働くことも禁止の対象となっていますので注意しましょう。

 

資格外活動違反による更新不許可事例

 

これまで当事務所でも多くの留学生の申請案件を取り扱ってきました。当事務所にご相談をいただくもので、資格外活動許可違反による在留期間更新許可申請の不許可に関するご相談は少なくありません。

留学生から話を聞くと、留学生の国籍ごとにコミュニティがあり、その中でさまざまな噂があるようです。

・給料を手渡しでもらっていればわからない

・アルバイトを掛け持ちして、一つのアルバイト先で28時間だから大丈夫

・銀行通帳を分けているからバレない

など、友達から聞いた話だといってこのような話を聞くことがあります。

審査の過程で入管がどのように調査をしているか分かりませんので、あくまで個人的な推測ですが、他の関係省庁との情報連携を行い、審査を行っているものと思います。

アルバイトであっても勤務先はハローワークに届出を提出していますので、厚生労働省から法務省へ情報連携がなされ、在留期間更新許可申請の時に留学生が申告をしていないアルバイト先であっても入管は情報をつかんでいる可能性は高いです。そうなると、前述のような給料を手渡しでもらっていても、通帳を分けていてもバレないことはないです。

このように、バレなければ大丈夫ということではありませんので、アルバイトをする際には、必ずルールを守る必要があります。資格外活動許可により期間更新が不許可を受けてしまうと、更新の再申請やCOEの再申請は非常に困難です。

これまでも更新申請の不許可を受けてしまった留学生と一緒に入管へ同行し、審査官と話をさせていただく機会がありましたが、留学生が泣きながら審査官に訴える姿を見ると心が痛みます。

本人の責任ではあるものの、やはり留学生本人が資格外活動で認められていること、認められていないことをしっかり理解しておくことは非常に大切なことです。

 

まとめ

 

ここまで留学生がアルバイトをする際に必要な資格外活動許可について、資格外活動許可とは何かといった基本的なところから、申請方法や資格外活動の注意点について解説をしてきました。

2008年に政府が留学生30万人計画を発表してから、外国人留学生が増加し続け、2020年を目処とされていた目標を、2017年には前倒しで数値上の目標をクリアしました。労働力不足と言われる日本で、留学生によるアルバイトは大きな役割を果たしています。

一見関係ないように見える労働力不足と留学生の資格外活動は切っても切れない話になってきています。留学生が違反をせず、日本で勉強を継続でき、日本で就職していくことが最終的には労働力不足の解決にもつながると思います。

 

リガレアスでは、留学生が安心して日本で勉強やアルバイトを継続していけるようビザの観点からサポートをしています。留学生のアルバイトや資格外活動許可で、少しでも心配なことがあれば、いつでもご相談ください。

リガレアス行政書士事務所に相談する。