【2024年最新】配偶者(結婚)ビザ申請の必要書類・手続きの流れと行政書士へ依頼する際に注意すること
- 2021.05.31
- 2024.11.23
リガレアス行政書士事務所の広瀬(@tatsu_ligareus)です。
日本人と外国人の間での結婚、いわゆる国際結婚は珍しくありません。夫婦が一緒に日本で住もうと考えた時、たとえ外国人の方が日本人と結婚をしていたとしても、自由に日本に住むことができるわけではなく、当然ビザが必要になります。
私の周りにも外国人と結婚をしている日本人の友人や、日本人と結婚をして日本に住んでいる外国人の友人は多くいて、行政書士として外国人のビザに関する仕事をしていると、国際結婚をする際のビザ手続きについて、よく質問を受けます。
たとえば、
「ビザを申請するときに二人とも海外にいても大丈夫か?」
「ビザは何年間もらえるのか?」
「来日するときに二人とも日本で仕事が決まっていなくても申請できるか?」
など、質問内容も様々でした。
本記事を読んでいただいている方でも、同様な疑問を持っていらっしゃる方がいるのではないでしょうか。
そこで今回は、配偶者ビザとはどのような在留資格か、取得のポイントや手続きの流れなどを解説していきます。また申請手続きを行政書士に依頼する際の注意点も解説します。
これから国際結婚を考えている方や、すでに海外で国際結婚をしていてこれから一緒に日本で暮らしたいと考えている方、さらにはそのような方が社内にいる人事ご担当者様などにもご参考になるはずです。
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目次
配偶者ビザとは?
配偶者ビザとは、結婚をした外国人が日本で滞在するためのビザです。
この記事で配偶者ビザとは「日本人の配偶者等」の在留資格のことを言い、また「日本人の配偶者等」の在留資格について解説していきます。
配偶者ビザと結婚ビザの違い
実は、配偶者ビザや結婚ビザという名称の在留資格はありません。通称として一般的にそのような呼ばれ方がされているだけです。
結婚や配偶者としての在留資格はいくつかあり、日本人と結婚した場合は「日本人の配偶者等」、外国人同士の結婚は「家族滞在」や「永住者の配偶者等」などがあります。
一般的に配偶者ビザというときは「日本人の配偶者等」を言い、結婚ビザというときは「家族滞在」を指すことが多いですが、いずれも正式な名称ではないことに注意しましょう。
「家族滞在」については、こちらの記事もお読みください。
外国人同士の婚姻の場合
日本人と結婚した外国人の場合は「日本人の配偶者等」の在留資格になりますが、外国人同士が結婚した場合に取得できる配偶者の在留資格は以下のようになります。
配偶者の在留資格 | 申請する在留資格 |
永住者 | 永住者の配偶者 |
定住者 | 定住者 |
教授、芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、文化活動、 留学(大学生、専門学校生) | 家族滞在 |
高度専門職 | 家族滞在または特定活動 |
特定活動 | 特定活動 |
外交 | 外交 |
公用 | 公用 |
このように外国人同士が結婚した場合に取得できる在留資格は多岐に渡り、配偶者の在留資格によって申請する在留資格が変わります。
また、結婚をしていたとしても配偶者として在留資格を取得できないこともあります。例えば、配偶者の在留資格が「技能実習」や「特定技能1号」、「研修」、「短期滞在」などであると、結婚をしていても在留資格を取得することができません。
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「日本人の配偶者等」の在留資格取得のポイント
ここからは「日本人の配偶者等」の在留資格について解説していきましょう。
まずは、「日本人の配偶者等」を取得する際のポイントをみていきます。
ポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
- 日本人と外国人の双方の国籍国で婚姻していること
- 婚姻の実態があること
- 日本で安定した経済力があること
日本人と外国人の双方の国籍国で婚姻していること
日本人とその配偶者双方の国籍国で法的に夫婦関係でなければなりません。そのため、日本と配偶者の国籍国の両方で婚姻手続きを済ませる必要があります。婚姻手続きをスムーズに進めるため、事前に双方の国の婚姻手続きについて調べておくのが望ましいでしょう。
また、双方の国で法的に夫婦関係でなければならないため、事実婚や内縁関係、同性婚などは認められません。
「日本人の配偶者等」を持っている方であっても、日本人と離婚してしまうと在留資格の該当性を失ってしまいます。離婚後も引き続き日本に在留を希望する場合には、別の在留資格への申請が必要になりますので注意が必要です。
婚姻の実態があること
法律上の婚姻関係が成立していても、婚姻の実態が伴っていなければ「日本人の配偶者等」の在留資格の取得は認められません。つまり、夫婦が同居し、お互いに協力しあって社会通念上の夫婦の共同生活を営んでいることが必要になります。
当然のことながら、いわゆる偽装結婚は認められません。日本人と外国人の結婚では、これまで日本での就労や在留を目的として偽装結婚が多く発生した経緯があるため、入管でもこの点を厳しく審査する傾向があります。
例えば、単身赴任など仕事の事情で別居をしている夫婦であっても、同居をしていないことで慎重に審査をされることが考えられますので、申請の際は立証資料をしっかりと揃える必要があるでしょう。
日本で安定した経済力があること
日本で安定して婚姻生活を継続できるだけの経済力が求められます。日本人または外国人どちらかが仕事をして、安定した経済力があることを立証できれば良いので、例えば日本人妻が働き、その収入で外国人夫を扶養する場合であっても在留資格の取得は可能ですし、逆に外国人夫の収入で、日本人妻を扶養する場合でも取得は可能です。
ただ、よくあるケースとして、海外で結婚し生活をしていた夫婦が、一緒に来日して日本で生活をしていく際に、来日時に二人とも日本での仕事が決まっていないことがあります。ここで問題になるのが、どのように日本での経済力を立証するかです。
結論から言うと、夫婦に相当な資産や貯金がない限り、二人とも無職の状態で申請をしたとしても許可は難しいでしょう。そのため、在留資格を申請する前に、夫婦いずれかが日本での就職先を見つけておくことが望ましいです。海外にいる間に日本で就職先を見つけるか、日本人の方が先に日本へ帰国し、日本で仕事を見つけてから外国人配偶者を呼び寄せるといった方法が考えられます。
ここまで読まれて、外国人の方も日本で働くことができるのか疑問に感じられた方もいるかもしれませんが、「日本人の配偶者等」の在留資格は、日本での就労の制限がありません。つまり、就労の在留資格と異なり、どのような職種でも仕事に就くことができます。単純労働といわれるような職種に就くことも可能です。
また「家族滞在」などと異なり、働くために資格外活動許可を取得する必要もありません。
資格外活動許可については、こちらの記事で解説しています。
その他の注意事項
前述した3つのポイントは「日本人の配偶者等」を取得する際の特有なポイントとなっています。他の在留資格を取得する際にも共通するポイントになりますが、注意しなければならないことがありますのでここで少し解説します。
まず、日本に在留歴がある外国人の方は、これまでの在留状況に注意が必要です。入管法で定められていますが、引越しをした時に提出が必要な住居地の変更届出や、所属機関(所属する学校や会社)が変わった時に必要な所属機関に関する届出を提出していないような場合には、審査の際にマイナスな評価を受けることが考えられます。
また、日本で納税義務があるにもかかわらず、納税義務を履行していないような場合や、日本、海外を問わず犯罪歴がある場合にも消極的な要素として審査をされる可能性があります。海外での犯罪歴も審査の対象ですので、注意が必要です。
これらに該当すると、許可を受けることができないことや許可される在留期間が短いことなど、不利益なことが生じる可能性があります。
「日本人配偶者等」取得の手続きの流れ
日本人の配偶者として「日本人の配偶者等」の在留資格を取得するには、一般的に以下二つの手続きがあります。
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
認定申請は、海外から外国人配偶者を呼び寄せる場合や、海外に住んでいた夫婦が一緒に来日する場合に必要な手続きです。
他方で変更申請は、就労や留学など何らかの在留資格を持ち、すでに日本に住んでいる外国人の方が、日本人の方と結婚し、在留資格を変更する場合に必要な手続きとなります。
手続きの方法はそれぞれ以下のようになります。
認定申請
認定申請は、必要な書類を揃えた上で、日本人が外国人配偶者に代わって、日本にある入管で申請を行います。
入管では、標準処理期間を1ヶ月から3ヶ月としていますので、認定申請から認定証明書が交付されるまでにかかる時間は1ヶ月から3ヶ月です。
認定証明書が交付された後は、海外にいる外国人配偶者が日本大使館・領事館で査証申請をしなければなりません。査証は申請から発給まで通常1週間程度かかります。
このように、申請の準備を開始してから来日まで、少なくても2、3ヶ月はかかるでしょう。
認定申請中は、日本人と外国人配偶者がそれぞれ自国で過ごし、別々に暮らさなくてはならないように思われる方もいらっしゃると思いますが、実は必ずしもそうではありません。
認定申請を行なっている間であっても、外国人の方は「短期滞在」(親族訪問)で来日することが可能です。「短期滞在」で与えられる期間は最長で「90日」ですので、許可された期間内は日本で一緒に過ごすことができます。
ただし上記のフローのように、認定証明書が交付された後は、日本大使館・領事館で査証申請を行う必要があるため、一度日本を出国しなければなりません。
認定申請については、こちらの記事でも詳しく説明しています。
夫婦二人とも海外にいる場合の手続き
もし、夫婦二人とも海外にいる場合はどうすれば良いでしょうか。もちろん、日本人の方だけ先に来日して、認定申請を行うことも可能です。しかし、お子さんがいるような場合は、そういうわけにもいきません。できれば家族一緒に来日したいと考えるのが普通でしょう。
後述しますが、必要書類の一つに身元保証書があります。日本人が身元保証人になり身元保証書を作成しますが、身元保証人は日本にいる方でなければなりません。同様に日本国内に認定申請の代理人も必要です。そのため夫婦二人とも海外にいる場合は、日本人が身元保証人や代理人になることができません。
では、誰が身元保証人や代理人になるのでしょうか?
答えは、日本人の親族の方に身元保証人や代理人になっていただくことになります。日本人の親族に身元保証人として身元保証書を作成してもらい、代理人として入管へ申請をしてもらいます。
このようにして、夫婦二人とも海外にいる場合でも申請をすることが可能になります。
変更申請
認定申請に比べ、シンプルな流れになっています。申請書類を準備して入管に申請を行い、許可が出れば「日本人の配偶者等」として在留することが可能です。
入管が公表している標準処理期間も2週間から1ヶ月ですので、申請を行なってから早ければ1ヶ月以内で「日本人の配偶者等」を取得することができます。
在留期間について
許可された時の在留期間は、読んでいらっしゃる方の関心があるところだと思いますので、ここで少し解説をします。日本人の配偶者ですので、最初から最長の在留期間である「5年」がもらえるのではないかと期待される方は多いと思いますが、実は最初から「5年」がもらえることはほとんどありません。
ケースによっては「3年」が出ることもありますが、多くの場合、最初にもらえる在留期間は「1年」です。実際に私もこれまでも多くの「日本人の配偶者等」の申請を行ってきましたが、最初から「5年」が出ることはほとんどありませんでした。婚姻や日本での在留状況などを確認され、問題がないと判断されれば、更新時に長期の在留期間である「3年」や「5年」がもらえるようになります。
長期の在留期間をもらうためには、婚姻が継続し長期間同居をしていることや納税をしていること、必要な届出を行うなど、当然のことをしっかりと履行しなければなりません。
申請に必要な書類
次に申請に必要な書類について解説していきます。「日本人の配偶者等」を取得をする手続きは、認定申請と変更申請の二つがありますが、必要書類はほぼ一緒ですので、ここでは合わせて説明をします。
必要書類
必要書類 | |
1 | 申請書 |
2 | 顔写真 |
3 | 日本人の戸籍謄本 |
4 | 申請人(外国人)の国籍国で発行された結婚証明書 |
5 | 日本人の身元保証書 |
6 | 日本人の住民票 |
7 | 質問書 |
8 | 夫婦間の交流が確認できる資料 |
9 | 日本での滞在費用を証明する文書 |
変更申請の場合には、上記のリストに加えて申請人のパスポートと在留カードが必要になります。
日本人の戸籍謄本と外国人の国籍国で発行された結婚証明書が必要です。双方の国籍国で法的に婚姻が成立していなければならず、このことを立証する資料となります。必ず双方の国で手続きを済ませ、証明書を取得しておきましょう。
質問書は、お互いがどのように知り合い、どのように結婚したのかなど結婚までの経緯を詳しく記載するものです。フォーマットは入管のホームページにあるものを使用します。
夫婦間の交流が確認できる資料は、スナップ写真やSNS、通話記録などです。スナップ写真は夫婦二人が写っている写真を2、3枚提出します。容姿が確認できるものが必要で、アプリなどで加工したものは使用できません。二人のデートの写真や結婚式の写真などを提出することが多いです。
また、日本での滞在費用を証明する文書は、すでに日本人の方が日本で働いているような場合には、住民税の課税証明書や納税証明書を提出します。二人とも海外にいて、これから二人で来日し、夫婦のどちらか一方が日本で雇用されるところが決まっているような場合は、採用内定通知書や雇用予定証明書といった書類になります。
前述しているように、日本で安定した経済力があることを立証しなければなりません。日本入国後に仕事を見つけるとしても、認定申請時に二人とも日本での勤務先も決まっていないような無職の状態で申請することは難しいと言えるでしょう。
行政書士へ依頼の際に注意すること
ここまで説明してきたように、「日本人の配偶者等」の在留資格の手続きは、注意が必要なポイントも多く、手続きに慣れていない方からするとそのポイントもわかりにくいと思います。
夫婦が一緒に日本で暮らすために行う手続きですので、申請を失敗したくないと考えるのは当然だと思います。そこで、専門家である行政書士に手続きの依頼を検討する方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、行政書士へ依頼を検討される方に対して、行政書士へ依頼する場合に注意すべきことを2点お伝えしたいと思います。
専門性
行政書士の業務は非常に多く、多岐に渡ります。近年は外国人が増え、ビザ業務を始める行政書士も多く、ホームページなどで国際業務やビザ業務を謳っている事務所も多いですが、入管法や運用は頻繁に変わるため、専門性が求められます。
「日本人の配偶者等」は、夫婦が海外にいる場合やなんらかの事情で別居をしているなど、個々のケースに応じてそれぞれ立証しなければならないポイントも異なるため、その他の在留資格と比べても特に専門性が求められると考えます。
単に「費用が安いから」という理由だけで選ぶのはやめた方がいいでしょう。
ビザはその方の人生を左右するものですし、一般的に一度申請を失敗すると再申請は困難になります。「日本人の配偶者等」を取得できなければ家族一緒に日本に暮らすことができなくなってしまうため、ホームページを確認してみたり行政書士と直接話をしてみたりするなどして、専門性や実績を確認してみるのが良いと思います。
信頼性
他人に何かをお願いする時の判断基準の一つは、安心してお願いできることではないでしょうか。
事前にしっかりとヒアリングを行い、申請までのスケジュールや料金を提示してくれると安心できると思います。
事前のヒアリングがしっかりしていれば、もし許可の見込みが少ない場合であっても、申請を先延ばしにするよう提案をしてもらえますし、申請要件を満たすために何が必要なのかというアドバイスをもらうこともできます。稀に、許可の見込みが少ない場合であっても着手金目的で申請をする行政書士もいるといった話を聞いたこともありますので、依頼の際はしっかりと見極めが必要です。
また、依頼をしてもなかなか手続きが進まないことや事前に提示されていなかった追加費用が発生するといった事例もあるようです。申請までどのようなスケジュールで進んでいくのか、行政書士がどこまで対応してくれるのかを確認しておくことをお勧めします。さらに事前に料金を提示してもらい、追加費用が発生する場合には、どういった場合でいくらかかるのかも事前に確認しておきましょう。
「日本人の配偶者等」の取得だけでなく、その後の更新申請や場合によっては永住申請なども任せたいとお考えの方もいらっしゃると思います。長いお付き合いになるのであれば、なおさら信頼できる行政書士を探されるのが良いでしょう。
行政書士の選び方について、こちらの記事でも詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
さいごに
ここまで「日本人の配偶者等」の在留資格について解説してきました。在留資格取得のポイントや手続きの流れ、行政書士に依頼する際の注意点などをご理解いただけたと思います。
これまで日本での就労や在留を目的として偽装結婚が多く発生した経緯があるため、入管ではこの在留資格の申請を厳しく審査する傾向があります。日本人と結婚しているから簡単に取得できると思ってはいけません。法的に婚姻していることや婚姻の実態があることをしっかりと立証しましょう。
夫婦揃って日本で暮らすためには、絶対に失敗したくないビザ申請だと思いますので、申請に不安がある場合は行政書士などの専門家に相談することもお勧めします。
リガレアスでは「日本人の配偶者等」の在留資格はもちろん、その他のさまざまなビザ手続きを専門に行っております。将来的に、永住許可なども検討されている場合は、「日本人の配偶者等」の取得から更新申請、永住許可まで長期的にご支援することが可能です。
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記事を書いた人
1981年生まれ、千葉県出身。行政書士として約10年間勤務した後、DX化が進んでいないビザ業務を変えるため2019年にリガレアスを設立。Twitterでも積極的に情報発信しています。
1981年生まれ、千葉県出身。行政書士として約10年間勤務した後、DX化が進んでいないビザ業務を変えるため2019年にリガレアスを設立。Twitterでも積極的に情報発信しています。