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日本ビザに関係する家族の在り方について

 

リガレアス行政書士事務所の水澤です。

 

最近は、時代の変化とともに多様性という概念が生まれ、更に多様性の捉え方が進んできたように思います。性別、国籍、年齢、人種、宗教、セクシャリティ、価値観、体の状態等、一人一人が違うということは当たり前であり、自然であり、尊いことと理解されるようになりました。

 

生きることが窮屈だと感じた昔と比べて今は、人々が、より自由に自身の可能性を追及できる社会に変わりつつあるのだなぁと感じるのです。

 

家族のあり方も、多様性に富むようになりました。血縁で結ばれる家族もあれば、法律によって認められた家族もあれば、これらによらず自分たちが選んだ関係によって家族という形を作る、ということもあるでしょう。

 

では、外国人の方々が日本で大切な家族と一緒に暮らしたいと思った時に、どのように手続きをしたら良いのでしょうか。

 

内縁関係の夫や妻のビザは取得できる?

再婚相手の子どものビザは取得できる?

同性のパートナーのビザは取得できる?

本国に住む親のビザは取得できる?

ペットも連れてこれる?

 

 

 

家族の多様性に対して日本のビザ手続きがどのようになっているのか、お話しします。

 

内縁関係や事実婚の妻や夫のビザは取得できる?

どのようなビザでお二人一緒に日本で暮らすことができるでしょうか?

 

お二人双方が外国人の場合

日本の家族ビザ(在留資格「家族滞在」と言います)は、法律上の婚姻関係にあることを前提としています。海外では法律婚でなくても家族ビザを取得できる国もありますが、日本では取得できません。お二人双方の国で法律婚として成立していることが必要です。よって、内縁関係や事実婚の場合は、残念ながら別のビザを取得します。

    *在留資格「家族滞在」については、弊社広瀬のブログ記事「家族滞在ビザの取得条件」もご参照く

     ださい。   家族滞在ビザの取得条件

一つは、日本で就労することや日本の文化を学ぶことを目的とした在留資格を取得することです。

もう一つは、告示外の「特定活動」を申請し、許可を受けられる場合があります。

 

 お二人の内、片方が日本人であり、お二人の間に実子がいる場合

「日本人の実子」は、嫡出・非嫡出を問わず、そのお子さんの出生時点でお子さんの父親若しくは母親が日本国籍であること、且つ、そのお子さんを看護・養育している場合は、在留資格「定住者」を取得することが可能なケースがあります。

 

*お二人の実子で日本国籍を持たない非嫡出子の場合は、日本人の父親から実子であると認知されていることが必要です。

 

 

 

再婚相手の子どものビザは取得できる?

お二人双方が外国人である場合

ご夫婦が外国人の場合で法律上認められている婚姻関係にある再婚相手の子ども(いわゆる連れ子)は、家族ビザ(在留資格「家族滞在」)の申請・取得が可能です。在留資格「家族滞在」は、法律上親子関係にあることが求められますので、養子縁組の手続が必要です。

 

ご夫婦が同国籍であれば、ご夫婦の国の法律で認められた養子縁組の手続を行います。ご夫婦が異なる国籍の場合は、それぞれの国の法律で認められた養子縁組の手続を行ってください。法律上認められた養子であることを立証し、在留資格「家族滞在」の申請を行います。

 

お二人の内、片方が日本人である場合

法律上認められる再婚をした場合、外国人の配偶者は在留資格「日本人の配偶者等」を申請・取得が可能です。外国人配偶者に子どもがいる(いわゆる連れ子)場合は、在留資格「定住者」を申請・取得します。

 

法律上の婚姻関係でない日本人との間に実子がいる場合、実子のビザはどうしたら良い?

 

日本人配偶者が実子であると認知し、認知届が受理された場合

実子は在留資格「日本人の配偶者等」を申請・取得します。その後、「日本人の配偶者等」で6か月日本に在留しますと、実子は日本国籍を取得することができます。

 

日本人の配偶者が実子であると認知しない場合

実子は在留資格「定住者」を申請・取得します。在留資格「日本人の配偶者等」の取得、その後の日本国籍の取得はできません。

同性のパートナーはビザを取得できる?

 

前述のように、外国人が日本人と法律上認められている婚姻をしている場合は在留資格「日本人の配偶者等」を取得できます。

 

しかし、現在日本の法律は同性婚を認めていないため、海外では法律上有効とされる同性婚であっても、日本では法律上認められている婚姻とされないため「日本人の配偶者等」の在留資格を取得することはできません。

 

一方、海外では有効な婚姻関係にある同性配偶者が日本に駐在等となり、同性の配偶者が家族として日本で一緒に暮らせない実情に合わせ、在留資格「特定活動(告示外)」で日本に在留することが認められています。

 

参考:法務省から各地方入国管理局(当時)への通知

 

法務省管在第5357号

 平成25年10月18日

 地方入国管理局長殿

 地方入国管理局支局長殿

 

 法務省入国管理局入国在留課長 石岡邦章

 

 同性婚の配偶者に対する入国・在留審査について(通知)

 

  在留資格「家族滞在」、「永住者の配偶者等」等にいう「配偶者」は、我が国の婚姻に関する法令においても有効なものとして取り扱われる婚姻の配偶者であり、外国で有効に成立した婚姻であっても同性婚による配偶者は含まれないところ、本年5月にフランスで「同性婚法」が施行されるなどの近時の諸外国における同性婚に係る法整備の実情等を踏まえ、また、本国で同性婚をしている者について、その者が本国と同様に我が国においても安定的に生活できるよう人道的観点から配慮し、今般、同性婚による配偶者については、原則として、在留資格「特定活動」により入国・在留を認めることとしました。

 

  ついては、本国で有効に成立している同性婚の配偶者から、本邦において、その配偶者との同居及び扶養を受けて入りう在留することを希望して「特定活動」の在留資格への変更許可申請がなされた場合は、専決により処分することなく、人道的観点から配慮すべき事情があるとして意見を付して本省あて請訓願います。

 

  なお、管下出張所長へは、貴職から通知願います。

 (通知終わり)

 

 

  

同性婚のうち、片方が日本人である場合

外国人配偶者は、就労の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」「研究」「高度専門職」「経営・管理」等)や、日本の文化を学ぶ「文化活動」等を取得し、日本に在留する方法を検討します。

 同性婚のうち、お二人が外国人である場合

ケース1:お二人のそれぞれの国が同性婚を法律上認めている

配偶者は「特定活動(告示外)」(同性の配偶者)を申請・取得する方法があります。申請は在留資格変更のみですので、通常は「短期滞在」で日本に入国し速やかに在留資格を「特定活動(告示外)」へ変更申請します。

この申請は、法務省本省で審査され、原則として在留資格「家族滞在」の審査要件に準じますので、配偶者と同居し扶養を受けることが求められます。就労は認められません。

(「家族滞在」と同様に資格外活動許可を取得すれば週28時間以内のパート・アルバイトは可能です)

 

 *現在同性婚を認めている国は以下の通りです。

 オランダ ベルギー スペイン カナダ 南アフリカ ノルウェー スウェーデン 

 ポルトガル アイスランド アルゼンチン デンマーク ブラジル フランス 

 ウルグアイ ニュージーランド イギリス ルクセンブルク アメリカ合衆国 

 アイルランド コロンビア フィンランド マルタ ドイツ オーストラリア 

 オーストリア 台湾 エクアドル コスタリカ

 

ケース2:お二人のうち片方の国は同性婚を認めていない

家族として在留できる在留資格に該当しないため、配偶者は、就労の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」「研究」「高度専門職」「経営・管理」等)や、日本の文化を学ぶ「文化活動」等を取得し、日本に在留する方法を検討します。

 

 

 

 

親を日本に呼び一緒に暮らすビザは取得できる?

日本では、家族として在留できる「家族滞在」の対象者は、扶養者の配偶者と子とされています。親は含まれませんが、別の在留資格且つ一定の条件下で親を呼ぶことができます。

 

ケース1:在留資格「高度専門職」所持者が親を日本へ呼ぶ場合

弊社がビザ手続をしたクライアントの奥様が懐妊し、初めて赤ちゃんが生まれると報告してくださったことがあります。奥様は専業主婦で在留資格は「家族滞在」です。初めての懐妊、出産を日本で迎えるので、奥様は随分不安に感じているということでした。

 

この方は一般的な就労在留資格をお持ちでしたが、「高度専門職」に変更し、本国に住む奥様の母親を日本に呼び、出産後の育児をサポートしてもらいました。このようなメリットがあるのが「高度専門職」です。

在留資格「高度専門職」で日本に在留している外国人若しくはその配偶者は、以下の条件がありますが親を日本に長期間呼ぶことができます。この場合の親の在留資格は「特定活動告示34号」となります。

1.「高度専門職」外国人若しくはその配偶者のどちらかの両親が対象です。

2.「高度専門職」外国人若しくはその配偶者が7歳未満の子の養育を行っている、

   又は、「高度専門職」外国人の配偶者が妊娠中であり、介助や家事の支援が必要な

   ケース。

3.「高度専門職」外国人の世帯年収が800万円以上であること。

4.「高度専門職」外国人と同居すること。

 

ケース2:人道上の理由で親を日本に呼ぶ場合

本国にいる親が一人暮らしで身寄りもないため、親を日本に呼びたいと考えるケースで、在留資格「特定活動(告示外)」の申請となります。親を呼ぶための明確な基準は定められていないため、審査は厳しい傾向にあります。

ご参考までに、考えられる基準です。

1.親が高齢者であること(70歳以上)。

2.親が本国で一人暮らしであること。

3.親は本国で親類等面倒を見てくれる人がいないこと。

4.病気等で一人で暮らすのが難しいこと。

5.日本に親を呼ぼうとしている扶養者は十分な収入があること。

(目安として年収800万円以上)

 

 

ペットも日本に連れてこれる?

 

 

家族と同様に大切なのが、ペットです。ペットも日本に連れてくる人も大変多いです。ペットにはビザはありませんが、検疫の手続が必要です。

農林水産省の動物検疫所がペットの検疫について案内していますので、ご参照ください。

 

引用元: 

農林水産省動物検疫所 https://www.maff.go.jp/aqs/         

動物検疫所一覧 https://www.maff.go.jp/aqs/sosiki/attach/pdf/aqs_contact_list_dogcat.pdf  

 

オーストラリア入国審査で知ったビザ審査の観点

かれこれ17年前になりますが、私はオーストラリアの空港の入国審査で別室に連れていかれたことがありました(私事で恐縮です)。

私は離婚をし、当時8歳だった子どもと人生をリセットするためにオーストラリアに2年滞在しました。その滞在の初の入国審査で審査官に不信に思われたのです。

私は、子どもと私の弟の計3名で入国しました。ビザは、子どもは小学校に入学するので学生ビザ、私は子どもの保護者ビザ、弟は私たちの付き添いとして2週間の滞在予定だったため短期滞在ビザでした。

「なんか、この家族変じゃない?」「ヒソヒソヒソ・・・」「ヒソヒソヒソ・・・」「ちょっとあちらへご同行ください」と審査官に言われ、私たちは別室へ移りました。

私たちは、「え?何故?」「何かあったのか?」「私たち怪しいのかな?」「できるだけ笑顔で答える?」と、今思えばかなり動揺していました。

つづいて

審査官:「何故家族皆がバラバラのビザなのですか?」

私:「子どもをオーストラリアの小学校に留学させるので、子どもは学生ビザ。私は親なので保護者ビザです」

審査官:「子どもに学生ビザを取得させて、実は両親はオーストラリアで不法に働くつもりじゃないですか?」

私:「え?働く?両親?」 ここで私は審査官に何故不信に思われているのか分かりました。

私:「この人は私の弟です。実はですね、私はついこの前に離婚して旧姓に戻り、子どもも私と同じ姓になりました。弟は私たちを心配し2週間の予定でオーストラリアに同行するため一緒に来ました。私と弟、ほら顔が似ています」 必死に顔を見せました。

私と弟の顔を見つめる審査官:「確かに似ていますね・・。あぁ~、だから3人とも同じ姓でそれぞれバラバラのビザなんですね。なるほど、分かりました。新しい人生スタートにオーストラリアを選んでくれてありがとう。素晴らしい滞在になると良いですね」

こんなやり取りがあり、私たちの入国審査は無事に終わったのでした。

この時に、ビザはその国での暮らしの根幹・ルールであり、一人一人の将来に繋がるものだと私は知ったのです。

 

さいごに

人にはそれぞれ様々な事情があり、家族の形もそれぞれに異なります。

この仕事をしながら時々思うのは、日本の法律は世界の変化の速さに追いついていないのかもしれない、ということです。

愛する家族、大切な人と日本で一緒に暮らしたい、同じ時を過ごしたい、助け合いたいと思うのは当然です。

私たちは、日本のビザ手続を通して少しでも皆様のお役に立ちたいと思っています。

日本のビザ手続で分からないことや不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。

 

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