リガレアス行政書士事務所の谷川です。

外国人が転職する際のビザ手続きは、いくつか種類があり、その中で必要な手続きを見極めるのは難しいものです。外国人自身も、現在のビザで転職後も働けるのか、どのような手続きが必要なのか等、調べてもよくわからないという声を聞きます。

転職時に正しいビザ手続きを行わないと、外国人の方が罰則を受けたり、その後のビザ更新に悪影響を与えたりといったリスクがあるだけでなく、最悪の場合、企業が不法就労助長罪に問われる危険性もあります。

そこでこの記事では、外国人の方が転職する際、ビザについてどのような手続きをとれば良いのか、わかりやすく解説します。

手続きの流れや時間、企業側で行うべきことも説明するので、この記事を参考に入管法(出入国管理及び難民認定法)に則したビザ手続きを踏み、外国人の転職者をスムーズに受け入れましょう。

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外国人が転職する際のビザ手続きを状況別に判断する方法

そもそもどんなビザなら外国人でも転職できる?

転職の可否活動内容の制限(=転職に伴いビザの変更が必要になる可能性)
身分系の在留資格の例永住者なし
永住者の配偶者等なし
日本人の配偶者等なし
定住者なし
就労系の在留資格の例技術・人文知識・国際業務あり
高度専門職あり
企業内転勤あり
特定技能あり
技能実習×

 

日本で働いている外国人は誰でも転職できるわけではなく、その方が持っているビザ、つまり在留資格の種類によって、転職できるかどうかが異なります。

在留資格には様々な種類がありますが、大きく就労可能な在留資格と、原則就労ができない在留資格とがあります。就労可能な在留資格のうち、さらに性質によって「身分系」と「就労系」とに分けられます。

身分系の在留資格は、「配偶者ビザ」「永住権」などと呼ばれるものが代表的で、基本的に就労の時間や内容に制限がありません。在留資格が取り消されない限りは、日本人と同じように転職できるといえます。

一方、就労系の在留資格は、外国人の方がどんな企業でどんな業務にあたるかによって付与されているため、その在留資格で許可されている範囲内でしか就労できません。在留資格によってその範囲は異なりますが、異業種への転職など、仕事内容が変わる場合は、ビザの変更が必要になることが多いです。また技能実習生のように、原則として転職が認められていない在留資格もあります。

就労可能な在留資格のうち、代表的なビザについて転職の可否や活動内容の制限の有無を上記の表にまとめているので、まずは確認してみてください。

それ以外の原則就労ができない在留資格とは、たとえば「短期滞在」「留学」「文化活動」などです。このうち「留学」の在留資格などは資格外活動許可を得ることでアルバイトはできますが、前提としてフルタイムで就労するための在留資格ではないため、転職者として応募してくることは基本的にないでしょう。

各在留資格については以下の記事で詳しく扱っていますので、気になる方は併せて参考にしてみてください。

外国人の転職時に発生しうるビザの手続きは全部で4種類

上記で見てきたように、就労系のビザを持っている外国人の場合は、転職時にビザの切り替えが必要なケースがあります。また転職後も同じ業務に従事する場合でも、何もせず転職できるわけではなく、必要な手続きがあります。

転職時のビザ手続きにはいくつか種類があり、どの手続きが必要かは人により異なるため、状況に応じて必要なステップを正確に理解することが重要です。

ここでは、そもそもどのようなビザの手続きが存在するのかを解説します。まずは転職時のビザ手続きの全体像を把握しましょう。

①所属機関等に関する届出

所属機関等に関する届出とは、外国人の方の勤務先が変わったときや、勤務先の名称や住所が変わったときなどに、入管(出入国在留管理局)に報告する届出のことです。この届出は外国人の方の義務であり、変更があった日のそれぞれ14日以内に行わないと、罰則規定があります。

 

対象となる就労の在留資格】

高度専門職1号(イ、ロ、ハ)、高度専門職2号(イ、ロ、ハ)、教授、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行、技能、特定技能、経営・管理、法律・会計業務、医療、教育、企業内転勤、研修

罰則内容】

・その届出を行うべき事由が生じた日から14日以内に届け出なかった場合:20万円以下の罰金
・虚偽の届出をした場合:1年以下の懲役又は20万円以下の罰金(虚偽の届出をして懲役に処せられた場合は、退去強制事由にも該当)

(参照:出入国管理及び難民認定法第十九条の十六、第七十一条の二、第七十一条の五)

転職で勤務先が変わる場合は、退職と入社の2つの事由について届出が必要です。

企業側はこの届出には関与せず、外国人本人が行うものになります。あくまで届出であるため、入管で審査されるわけではなく、届出が受理されれば基本的にこの手続きは終了です。ただし、うっかり忘れやすい届出でもあるため、転職する外国人を採用する際は、この届出をしっかり行っているかを確認しましょう。

ビザの変更が必要/不要にかかわらず、就労ビザで転職する外国人の方は基本的に必ず行う届出になります。詳しい手続きの方法や届け出るタイミングについては、次章で詳しく解説します。

②在留資格変更許可申請

外国人が転職する際のビザ変更の要否

外国人の方が転職後に従事する業務内容が、今の在留資格で認められた活動に当てはまらない場合、ビザの変更が必要です。この手続きを「在留資格変更許可申請」と呼び、入社前に完了させる必要があります。

 

ビザの変更が必要なケース例】

「研究」ビザでメーカーの研究職に従事していた方が、大学に転職し、教授として研究活動を行う場合

→「教授」ビザへの変更が必要

転職後の業務内容に適さないビザで就労を始めてしまうと、不法就労となるため注意しましょう。

なお、業務内容が変わるからといって必ずしもビザを変更する必要があるわけではありません。仕事内容が変わる場合でも、今の在留資格のまま働けるケースもあります。例えば「技術・人文知識・国際業務」など、認められている活動の範囲が広い在留資格を持っている場合、ビザの変更が必要ないこともあります。

 

ビザの変更が不要なケース例】

「技術・人文知識・国際業務」ビザでマーケティングに従事していた方が、別の企業へ転職し、エンジニアとして働く場合

→どちらも技術・人文知識・国際業務に該当するため、基本的にはビザの変更は不要

どのようなことが不法就労に該当するのかわからず、不安に感じる方も多いと思います。以下の記事で詳細を解説しているので、併せて参考にしてみてください。

③在留期間更新許可申請

ビザの変更が必要なく、以前持っていたビザで引き続き就労できる場合でも、注意しなければならないのがビザの期限です。ビザの期限は「在留期限」と呼ばれ、外国人の方が持つ在留カードに印字されています。

外国人の方は、在留期限以降も引き続き日本に在留したい場合は、期限が切れるまでにビザの更新をしなくてはなりません。この手続きを「在留期間更新許可申請」と呼びます。

期限が切れるタイミングで同時に転職をする外国人もいるため、採用する外国人からビザの更新手続きを依頼される企業も多いかもしれません。転職する場合は、ビザの更新手続きは転職後の企業で行います。そのため、採用する企業から提供が必要な情報や書類があります。

在留期間更新許可申請は、在留期限の3ヶ月前から可能です。

【例】

  • 内定承諾日:2025年6月20日
  • 在留期限:2025年9月6日 
  • 入社日:2025年8月1日

たとえばこのような場合、入社してからビザの更新をすることもできますが、すでに在留期限が3ヶ月を切っているため、入社が決定した時点でビザの更新手続きを進めると安心です。

ビザの更新は、在留期限が到来するまでに行わないと、オーバーステイとなってしまいます。外国人を受け入れる企業の方は、必ずルールを理解しておきましょう。

④就労資格証明書交付申請

ビザの変更が必要ないと思われる場合でも、確証が持てず、転職後も今のビザで働き続けて本当に問題ないのか不安という方も多いでしょう。

こうした場合に取れる手段として、就労資格証明書交付申請があります。就労資格証明書とは、「この在留資格でこの業務に従事することが入管法上問題ない」ということを入管が証明する文書です。この証明書の取得は義務ではないため、任意で申請するものになります。

申請する人はあまり多くはありませんが、現在持っているビザで転職後も就労して問題ないという入管のお墨付きを得られるのがメリットです。

以上が外国人が転職する際に発生しうる手続きですが、中には「外国人が退職する際の手続き」も把握したい方もいるかもしれません。以下の記事で解説しているため、併せてチェックしてみてください。

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転職に関わるビザ手続きの具体的なやり方や期間

ここまで解説してきたビザにまつわる手続きについて、この章では具体的なやり方や必要な期間を解説します。中には早めの動き出しが必要な手続きもあるため、転職する外国人の採用が決まったら、事前に流れを把握して計画的に着手するようにしましょう。

①所属機関等に関する届出

【所属機関等に関する届出】

  • 目的:外国人の勤務先が変わったことを入管に報告する
  • 書類を作成する人:外国人本人
  • 届出先:管轄地域の出入国在留管理局
  • 届出方法:窓口/郵送/オンライン
  • 審査期間:なし(届出のみで完了)

所属機関等に関する届出は、外国人の方が持っているビザの種類により、「契約機関に関する届出」と「活動機関に関する届出」の2種類に分かれています。

 

届出の種類該当の在留資格届出をするタイミング
契約機関に関する届出高度専門職1号イまたはロ
高度専門職2号(イまたはロ)
研究
技術・人文知識・国際業務
介護
興行
技能
特定技能
・退職してから14日以内:「契約機関との契約が終了した場合の届出」を提出

・入社してから14日以内:「新たな契約機関と契約を締結した場合の届出」を提出

*退職日と入社日が近い場合:「新たな契約機関と契約を締結した場合の届出」を提出

活動機関に関する届出教授
高度専門職1号ハ
高度専門職2号(ハ)
経営・管理
法律・会計業務
医療
教育
企業内転勤
技能実習
留学
研修

・退職してから14日以内:「活動機関から離脱した場合の届出」を提出

・入社してから14日以内:「活動機関の移籍があった場合の届出」を提出

*退職日と入社日が近い場合:「活動機関からの離脱と移籍の届出」を提出

それぞれの届出で使用するフォーマットは、入管のホームページ上に公開されています。もしくは、HPに記載されたURLから外国人本人がオンラインで届出も可能です。

先述の通り、届出を行わないと、外国人の方が罰則を受けたり、その後のビザの更新や変更の際に「在留状況が悪い」とみなされたりする可能性があるため、外国人の転職者には実施状況を確認しましょう。

なお、14日を過ぎてしまっても基本的には届出は受け付けられるため、遅れた場合でも気づいたタイミングですぐに行うことが大切です。

②在留資格変更許可申請

【在留資格変更許可申請】

  • 目的:転職後の業務に適した就労ビザに変更する
  • 書類を作成する人:外国人本人と転職後の企業
  • 申請先:管轄地域の出入国在留管理局
  • 申請方法:窓口/オンライン
  • 審査期間:1ヶ月~3ヶ月程度

在留資格変更許可申請にあたって必要な書類は、「どのビザに変更するか」によって異なるだけでなく、転職後の企業の規模や外国人の方の雇用条件などによっても細かく分かれています。

入管HPの在留資格変更許可申請というページや、各在留資格のページで必要書類を確認しましょう。

どの在留資格に変更する場合でも必ず必要になるのが、申請書です。ビザを変更する際の申請書は、本人が作成するページと企業が作成するページとに分かれているため、雇用する外国人からビザの変更手続きを頼まれたときは、企業側のページを作成してあげましょう。

具体的には、ビザの種類によっても異なりますが、法人番号や年間売上高、従業員数といった企業情報の入力が求められます。また外国人の採用後の地位や年収、業務内容なども記載することが多いです。

ビザの変更を申請してから結果が出るまでは、通常1~3ヶ月程度かかることが多く、入管が公表している在留審査処理期間によると、令和7年6月の平均は約44.9日です(転職可能な就労ビザの場合)。

これも企業の規模やビザの種類、また入管自体の混雑状況によっても異なるため、一概にどれくらいとは言えませんが、最低でも1~2ヶ月は見ておくと良いでしょう。書類や申請書の内容に漏れがあり、追加書類を求められたりすると、さらに長引くこともあります。

【流れのイメージ】

  1. 内定承諾
  2. 在留資格変更許可申請を行う
  3. 審査:1~3ヶ月程度
  4. 許可が下り、新しい就労ビザ(在留カード)を受け取る
  5. 転職後の会社で就労開始

③在留期間更新許可申請

【在留期間更新許可申請】

  • 目的:ビザの期限が切れる前に更新する
  • 書類を作成する人:外国人本人と転職後の企業
  • 申請先:管轄地域の出入国在留管理局
  • 申請方法:窓口/オンライン
  • 審査期間:2週間~1ヶ月程度

転職する外国人がビザを更新する場合、転職前の企業と転職後の企業、どちらが手続きを行うことになるのか、疑問に思う人が多いかもしれません。結論からいうと、転職することが決まっているのであれば、転職後の企業が行います。

申請書は外国人本人が作成するページと、企業が作成するページに分かれています。また必要な書類も、外国人本人が用意するものと企業が用意するものとがあるため、採用する外国人からビザの更新を依頼されたら、必要な情報・書類を提供してあげましょう。

それぞれの在留資格によって更新に必要な書類は異なるため、入管のHPで確認してみてください。在留資格の種類や企業の規模などの条件によっては、ビザを新規取得するときと同じくらいの書類を求められるケースもあります。

審査期間は2週間~1ヶ月程度であることが多く、入管の「在留審査処理期間」によると、令和7年6月の平均は約35.9日です(転職可能な就労ビザの場合)。ビザ更新の申請をした場合、在留期限後も2か月間は「特例期間」といって、引き続き日本に在留ができ、就労も可能です。そしてこの特例期間内に必ず審査が終了します。

 

【流れのイメージ】

  1. 内定承諾
  2. 在留期間更新許可申請を行う
  3. 審査:2週間〜1ヶ月程度(勤務は開始可能)
  4. 新しい在留カード交付

以下の記事ではビザ更新時の注意点を解説しています。ぜひ併せて参考にしてください。

④就労資格証明書交付申請

【就労資格証明書交付申請】

  • 目的:現在のビザを引き続き使って問題ないことを確認する
  • 書類を作成する人:外国人本人
  • 申請先:管轄地域の出入国在留管理局
  • 申請方法:窓口/オンライン
  • 審査期間:(転職に伴い申請する場合)1~3ヶ月程度

就労資格証明書の取得は任意になるため、転職時に「このタイミングで申請しなければならない」という期限は特にありません。審査期間は、平均1〜3ヶ月程度かかるため、取得する場合は転職が決まった段階で早めに申請をすると良いでしょう。

申請に必要な書類は、外国人の方が現在持っている在留資格の種類に関わらず、基本的には共通です。転職等によって勤務先や活動内容が変わる場合は、以下の書類が求められます。

  • 就労資格証明書交付申請書
  • 資格外活動許可書を提示(同許可書の交付を受けている方に限る)
  • 在留カードを提示
  • 旅券又は在留資格証明書を提示
  • 旅券又は在留資格証明書を提示することができないときは、その理由を記載した理由書
  • 身分を証する文書等の提示(申請等取次者が申請書類を提出する場合)
  • 新たな勤務先や活動内容の詳細がわかる書類
    ※入管HP「就労資格証明書交付申請」参照(2025年7月時点)

 

【流れのイメージ】

  1. 内定承諾
  2. 就労資格証明書交付申請を行う
  3. 審査:1〜3ヶ月程度(勤務は開始可能)
  4. 就労証明書の交付

外国人の状況別に必要なビザ手続きを判断する方法

外国人の方が転職する際に発生しうるビザ手続きを解説してきましたが、いざ実際の状況に当てはめると、どの手続きをとれば良いのか、判断が難しいと感じるかもしれません。

そこでここでは、どのような手続きが必要になるか判断する基本的な考え方を解説します。これまでのおさらいとして確認し、必要な手続きを明確にしましょう。

チェック①外国人が持っている在留資格の種類は何か?

前提として、外国人の方が日本で仕事をして報酬を得る場合は、何らかの就労可能な在留資格が必要になります。先述の通り観光ビザなどの短期査証では、日本で働いてはいけません。そのため、転職する外国人の方も、すでに何らかの就労可能な在留資格(身分系のビザや就労系のビザ)を所持しているはずです。

永住権などの身分系のビザと異なり、就労ビザは、従事する業務内容によって、種類が分かれています。就労ビザを持つ外国人の方は、この在留資格ごとに認められた活動の範囲内でしか、就労ができません。たとえば「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザを持つ人が、「技能」に該当する仕事をすることは違法であり、不法就労に該当します。

そのためまずは何よりも、外国人の方が持っているビザの種類(在留資格)を確認しましょう。在留資格の種類は、在留カードに記載されています。

外国人転職者の在留カードの見方

 

この種類によって、外国人の方が従事できる仕事がわかります。

なお、人によっては、採用されるために嘘の在留資格を申告するというケースもあるようです。そのため採用時は在留資格を口頭で聞くだけでなく、必ず在留カード本体を確認することをおすすめします。

チェック②転職後に行う業務は今の在留資格に当てはまるか?

在留資格を確認できたら、その在留資格で転職後の業務に従事できるかを確かめましょう。各在留資格で認められている活動は、入管のHPで確認できるほか、代表的な在留資格についてはリガレアスの他記事でも解説しているので、併せて参考にしてみてください。

このとき注意が必要なのが、一見「このビザは転職後の業務にも当てはまるから問題ない」と感じる場合でも、ふたを開けてみると要件に該当しないケースもある点です。

例として、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、取得時の要件に学歴・職歴が定められています。基本的には大卒以上の学歴が必要な在留資格ですが、10年以上の実務経験がある場合は、学歴要件が免除されます。つまり、最終学歴が高卒の方でも、実務経験が10年以上あれば、技術・人文知識・国際業務を取得できることがあるのです。

 

本国で高校を卒業後、営業職として10年以上のキャリアを積んだ外国人の方
→日本企業で営業職として採用され、技術・人文知識・国際業務の在留資格で働いていた
→経理の仕事に転職したい

この場合、転職して経理の仕事に就くことは難しいです。なぜなら経理業務で10年以上の実務経験はないため、学歴要件、職歴要件どちらも満たしていないためです。経理の仕事自体は技術・人文知識・国際業務の在留資格に該当しますが、この方は現時点で転職はできません。

このように、就労ビザの取得には複合的な要素が関係するため、誤った判断をしてしまうリスクもあります。迷った場合は入管に直接確認したり、ビザ業務に詳しい行政書士などの専門家に相談しましょう。

なお、技術・人文知識・国際業務は特によく目にする在留資格です。詳しい要件や性質を覚えておくと安心ですので、以下の記事も活用してみてください。

チェック③在留期限はいつまでか?

最後に、外国人の方が持っているビザの有効期限、つまり在留期限も確認しましょう。

 

ビザの変更が必要なく、在留期限も3ヶ月以上ある場合
→「所属機関等に関する届出」のみ必要

▼ビザの変更は必要ないが、在留期限が3ヶ月未満の場合
→「所属機関等に関する届出」に加え、在留期間更新許可申請を行う

ビザの変更が必要ない場合でも、在留期限が迫っている場合は、在留期間更新許可申請が必要です。ビザの更新は在留期限の3ヶ月前から申請ができるため、在留期限が3ヶ月をきっている場合は早めに申請することをおすすめします。

なお、ビザの変更が必要で、在留期限も近いというケースもあるでしょう。こうした場合は内定承諾書や雇用条件通知書などが交わされ、すでに入社が決まっているのであれば、更新せずにビザの変更を申請して問題ありません。

入社が明確に決まっておらず、入社日がいつになるか未定の場合などは、先に現在のビザを更新し、入社が確定してからビザを変更するという流れになります。申請書に入社日や報酬額などの勤務条件を記載する必要があることが多いためです。

 

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転職時のビザについてよくある相談に行政書士が回答

外国人が転職する際に必要なビザの手続きについて、全体像をつかんでいただけたかと思います。

最後に、外国人の転職について企業や外国人の方からよくいただく質問について解説します。併せて参考にしてみてください。

今のビザで転職できるのかどうかよくわからない

弊社へのご相談として特に多いのが、やはり「今のビザで転職できるかがわからない」「このビザでこの仕事へ転職は可能か?」というものです。

基本的には入管のHPで在留資格ごとに該当する活動を確認できますが、それでもよくわからないという声をよく聞きます。そうした場合に、ビザの変更が必要かどうか、どのビザに切り替えるべきなのか等、確認する方法をいくつか紹介します。

①入管がまとめている資料を読む

入管のHPでは、各在留資格の取得に必要な書類が公表されているだけでなく、ビザの手続きについての各種公表資料がまとめられています。外国人が転職する際に参考になるものとして、例えば以下のような資料が掲載されているので、わからない点があるときは参考にしてみましょう。

 

在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について

②入管へ直接相談する

各地方出入国在留管理局・支局にはインフォメーションセンターがあり、電話や窓口、メールで各種ビザ手続きについて相談することが可能です。

外国人在留総合インフォメーションセンター等

ただし入管の窓口は混み合っていることが多く、電話もすぐにはつながらないこともあります。あくまで相談窓口であり、ビザの審査を担当する審査官と話せるわけではないため、回答を得られるまで時間がかかったり、内容によっては回答を得られなかったりするケースもあるようです。急ぎの場合や状況が複雑な場合は、その点を留意して利用しましょう。

③行政書士などの専門家に相談する

今のビザで転職できるのかどうか明確な回答がほしい場合は、やはりビザを専門とした行政書士に相談するのがおすすめです。ビザ手続きに詳しい行政書士であれば、外国人の方の転職におけるビザ手続きをサポートした経験も豊富で、的確なアドバイスをもらえる可能性が高いです。

注意したいのが、行政書士の中でもビザを専門とした行政書士に相談する必要がある点です。行政書士の業務は多岐にわたるため、事務所によってはビザ手続きをほとんど請け負ったことがないということもあり得ます。入管法に精通した行政書士であれば、外国人の方の転職について相談できるだけでなく、入管への申請手続きを依頼することも可能です。

行政書士への相談に興味がある方は、以下の記事で選び方や注意点を解説しているので、併せて参考にしてみてください。

すでに退職している外国人を採用する場合はどうなる?

すでに退職している外国人を採用する場合でも、基本的な考え方はこれまで解説した通りです。現在持っている在留資格を確認し、転職後の業務内容に該当しない場合は、ビザの変更、つまり在留資格変更許可申請を行います。また身分系のビザではなく就労ビザを持つ外国人の場合は、退職後14日以内、入社後14日以内のそれぞれのタイミングで本人が所属機関等に関する届出を行う必要があります。

もしビザを変更する場合で、新しいビザの取得後に入社する場合は、所属機関に関する届出は、退職時のみで問題ありません。入社後14日以内に行う所属機関に関する届出は不要です。

また外国人がすでに退職している場合の注意点として、現在の在留資格に基づく活動を3ヶ月以上(「高度専門職」の場合は6ヶ月以上)行っていない場合、在留資格の取消に該当してしまい、場合によっては退去強制になる可能性があります。

そのためビザの変更が必要な場合は、退職から3ヶ月以内に申請しなければなりません。退職している外国人を雇う場合は、退職日を確認して早めにビザ手続きを進めるように注意しましょう。

転職後に初めてビザを更新する際の注意点は?

転職時点では在留期限に十分余裕があり、ビザの変更も不要というケースもあるでしょう。その場合、転職のタイミングで必要な手続きは、外国人本人が行う「所属機関等に関する届出」のみになります。そして入社後、在留期限が近づいたタイミングでビザの更新を行います。

退職時・入社時に所属機関等に関する届出をしっかり行っていれば、初めての更新時に特に注意する点はありません。在留期限の3ヶ月前になったら申請ができるため、入管が案内する必要書類を確認して申請書類を準備し、計画的に手続きを進めましょう。

なお、転職後の企業で初めてビザを更新する場合は、同じ企業で更新をする場合よりも必要な書類が多くなります。早めに準備を進め、わからない点が出てきた場合は行政書士などの専門家に相談すると安心です。

外国人入社後の注意点や企業側の心構えについては、以下の記事で扱っています。法律に則った在籍管理をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。

転職する際のビザ手続きは間違えるとリスクが大きい! 迷ったら専門家へ

外国人が転職する際のビザの扱いは複雑で、簡単に判断できない部分も多いものの、「友達はこのビザで転職できた」「ネットで調べたら転職できると書いてあった」というように、間違った情報を鵜呑みにして転職してしまう方もまだ多いと感じます。

外国人の転職者を採用する企業側も、意図せず不法就労に加担してしまう可能性もあります。間違えてしまうと双方に大きなダメージを与えるため、外国人の転職者を採用する際は慎重な判断が必要です。

この記事で解説したチェックポイントをもとに、まずは必要な手続きを確認してみてください。やるべき手続きがわかったら、外国人の方の入社に向けて早めに着手ましょう。状況に応じた正しいビザの手続きを見極めることで、スムーズな転職が可能になります。

リガレアスでは、ビザの変更や更新等の各種手続きや、コンサルテーションを承っています。外国人転職者のビザについて判断に迷った場合や、転職時の煩雑なビザ手続きを専門家に任せたいという企業の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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