リガレアス行政書士事務所の広瀬(@tatsu_ligareus)です。
外国人のビザ手続きは非常に煩雑です。入管法は分かりにくく、手続きに時間がかかります。しかし、ビザ申請を内製化しているところは少なくありません。内製化していても、自分たちが行っている手続きが正しいのか、不安を抱えながら手続きをしていることも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、外国人を受け入れている企業や教育機関のご担当者に向けて、ビザ申請代理サービスを利用する際のメリットやサポート内容、また依頼する際の注意点や依頼先の選び方について解説していきます。
本記事をお読みいただければ、ビザ申請代理サービス利用の際の検討材料の一つになるはずです。
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目次
ビザ申請代理とは?
ここでは、ビザ申請代理とはどういったものか解説していきます。
ビザ申請代理の定義と法的位置づけ
まず原則としてビザ申請ができるのは、申請人である外国人本人です。
しかし、本人しか申請ができないと不都合が生じることがあります。そのため、代理人と取次者の規定が設けられ、代理人と取次者であれば、代わりにビザ申請を行うことが可能になっています。
代理人になることができるのは、在留資格認定証明書交付申請と在留諸申請(在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請など)で異なっていて、在留諸申請では法定代理人が代理人になることが可能です。法定代理人とは、未成年者の親権者や未成年後見人、成年後見人です。また、申請人本人が16歳未満の場合や申請人が病気などで入管に行けない場合は、親族や同居者が申請を行うことができることになっています。
在留資格認定証明書交付申請では、在留資格ごとに代理人が決められています。例えば、「技術・人文知識・国際業務」であれば日本の雇用先企業の職員、「日本人の配偶者等」は日本の親族、「留学」であれば日本の教育機関の職員などです。また前述の法定代理人も代わりに申請することができます。在留資格認定証明書交付申請は、申請人が日本に来るために行う申請のため、そもそも日本にいないことが前提となっていますので、ほとんどの場合は代理人が申請を行うことになるでしょう。
次に取次者とは、申請案件の増加による窓口の混雑緩和や申請人の負担軽減等のために設けられたものです。入管に届出をした受入機関の職員や公益法人の職員、弁護士や行政書士が取次者になることができます。
代理人と取次者は厳密には異なり、代理人は申請人に代わって申請書の修正や申請書への署名をすることができますが、取次者は修正や署名をすることができず、申請人や代理人に代わって入管に申請をすることができるものとなります。
このように、ビザ申請を申請人の代わりに行うことができるのは誰でもよいわけではなく、代理人や取次者といった決められた人のみが申請をすることが可能です。
ビザ申請代理を利用するメリット
申請人本人が入管に行く必要がないというのはメリットの一つでしょう。
また、代理人や取次者が申請をした場合は、審査中に入管から問い合わせがあったときでも代理人や取次者に連絡が入りますので申請人が入管とやり取りをする必要はありません。
これらは申請人である外国人が受けられるメリットです。受入機関の職員や法定代理人などはビザの専門家ではありませんので、ビザ手続きに関して分からないことも多いでしょう。その際に、費用を払って行政書士などの専門家に手続きを依頼すると、さらにメリットを受けることができます。
ビザ手続きの書類は煩雑ですので、書類の作成や準備を任せられると手続きに要する時間や工数を削減することが可能です。
またビザの申請要件も分かりにくいため、要件を確認しないまま申請を行うと不許可を受けてしまうこともありますが、専門家に依頼すれば要件を確認した上で申請を行いますので、許可の可能性が高くなるでしょう。
さらに必要な手続きを行なっていなかったり、入管法上問題がある形で受け入れてしまっていると、受入機関としてコンプライアンスが問われてしまいます。行政書士などの専門家がいれば、必要な手続きを怠ることはありませんし、入管法に則したアドバイスを受けることができるため、受入機関のコンプライアンス遵守にもつながるはずです。
このように、行政書士などの専門家に依頼をすることのメリットは小さくありません。
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ビザ申請代理サービスの種類
ビザ申請業務を依頼する際に検討することができるのは行政書士以外にもあります。
ここでは、それぞれのサービスの違いについて解説します。
リロケーション会社や人材会社によるビザ申請代理
リロケーション会社や人材会社などが、日本のビザ申請手続き代行を謳っている会社も稀にあります。しかし前述のように、ビザ申請をすることができるのは、申請人本人を除いて代理人や取次者だけです。こういった会社は自社で外国人を雇用するなどがない限り、代理人や取次者になることはできません。ビザ申請をサービスとして行うことができない会社がビザ業務を謳っている場合は、注意する必要があります。
ただ、一般的には行政書士などと提携をして、ビザ業務は行政書士などが行っていることが多いでしょう。リロケーション会社や人材会社を通せば、外国人の日本の住居や銀行口座開設などの様々な手続き、外国人材紹介などのサービスと一緒に依頼をすることができるのはメリットです。しかし、窓口がたくさんできてしまったり、このような会社と行政書士との間でうまく連携が取れておらず、かえって煩雑になってしまうこともあるでしょう。
さらに、提携している行政書士ですと自分たちで行政書士を選ぶことができないため、専門性や実績などで選択することができません。ビザ業務を専門にしていない会社を通して依頼する場合は、この点にも留意しておくのが良いでしょう。
弁護士によるビザ申請代理
弁護士は法律全般に関する業務をすることができ、業務範囲が広いのが特徴です。
ビザ申請に関する書類の作成や相談、入管への申請などを行うことができるのはもちろんですが、ビザ申請で不許可を受けたときの取消訴訟や不法滞在などで退去強制を受けた際の口頭審理で代理をすることもできます。
またビザに関する相談だけでなく、離婚などの夫婦間の問題や相続、交通事故や犯罪に関する相談など、さまざまな法律の相談が可能です。もしビザだけでなくさまざまな法律相談を希望する場合は、弁護士に相談するのが良いでしょう。
一方で、ビザ申請に関して言えば、ビザを専門にしている弁護士は少ない印象です。また業務範囲が広い分、料金も比較的高いように思います。
行政書士によるビザ申請代理
取消訴訟などの裁判になる場合は行政書士では対応することはできませんが、弁護士同様にビザ申請に関する書類の作成や相談、入管への申請などをすることが可能です。つまり、ビザ申請手続きに関して言えば、弁護士も行政書士も行うことができる業務は同じです。
ビザを専門にしている弁護士は少ない一方で、ビザを専門にしている行政書士は多く、また料金も比較的抑えられることが多いです。同じ業務内容であるのであれば、専門性が高く、料金が抑えられる行政書士を選択肢の一つにするのも良いでしょう。
また、リロケーション会社や人材会社を通してビザ業務を依頼するより、直接行政書士に依頼をする方がサービス内容や料金など自社に合った行政書士を選ぶことができます。
ビザ申請にフォーカスするのであれば、ビザ業務の専門家として行政書士への依頼を検討するのが良いでしょう。
行政書士へビザ申請を依頼するメリットについては、こちらもお読みください。
ビザ申請代理のプロセス
ここでは、ビザ申請を依頼する際の流れについて解説していきます。
初回相談と契約
まずは、ビザ申請を検討する背景や申請を希望する外国人のバックグラウンドなどをヒアリングします。そこで申請が可能か要件を確認し、在留資格、手続きの流れや期間、料金の提示などを行います。
もし申請要件を満たさないような場合には、申請をしないようにアドバイスをしたり、どうすれば申請が可能になるか提案することもあるでしょう。
申請が可能で、手続きの依頼を希望する場合に業務委託契約書や守秘義務契約などの契約の締結に進みます。
必要書類の収集と準備
契約締結後、申請手続きが開始します。
外国人と受入機関のご担当者に必要書類を案内し、書類を収集します。外国人の方が日本語が苦手であれば、英語など他の言語で対応することもあるでしょう。
また入管が提示している必要書類以外に必要な書類がある場合は、その書類が必要な理由を説明した上で書類の収集を進めます。
申請書類の作成と提出
書類収集と同時並行して申請書類の作成を行います。
もし入管に対して説明が必要と判断した際には、説明書を作成します。
そして、申請前に申請要件や書類に不備がないかなど最終確認を行い、入管に申請を行います。
審査過程のフォローアップ
申請をして業務が終わりではありません。
審査の過程で入管から追加で資料や説明を求められることがありますが、その際は求められた書類を準備して入管に提出します。
また、通常より審査に時間を要しているような場合には入管に進捗状況を確認することもあります。
審査が終了したら結果を受け取り、外国人や受入機関の方に送付して業務は完了です。
ビザ申請代理サービスの選び方
ここまでビザ申請代理について説明をしてきましたが、ビザ申請を依頼する際にどこに依頼すればよいか悩むと思います。ここではビザ申請代理サービスの選び方について解説していきましょう。
資格と専門性の確認
前述したように、ビザ申請を依頼する際には取次者に依頼することになります。また行政書士であっても入管に申請をすることができるのは、入管に届出を行なった申請取次者だけです。
そのため、依頼をするには行政書士をもつ有資格者であるかどうか、また申請取次者であるかどうかを確認する必要があります。
さらに選ぶ際にはビザ申請に関する専門性の確認も大事です。
ビザ手続きを行うには入管法や運用をしっかり理解していないといけませんが、入管法や運用は頻繁に変更され、さらに入管法自体が複雑ですので、専門性が非常に重要になります。
専門性が低いと許可されるケースでも不許可を受けたり、必要以上に時間がかかってしまったりすることもあるでしょう。しっかりと専門性を見極めた上で依頼を検討する必要があります。
過去の実績と成功率
ビザ申請を依頼する際に、申請が許可されることを期待するのは当然です。
その点において許可率は明確な指標になります。許可率を公表している行政書士の多くは90%後半ですので、その中で1%でも高い方が優れているというわけではないでしょう。しかし許可率を公表していない行政書士もいますので、選ぶ際には許可率を一つの指標にするのはよいと思います。
また取り扱い件数が多い行政書士の方が専門性は高いといえます。
取り扱い件数が多いと、その分さまざまな事例を扱っているため、ノウハウが蓄積されていて申請において事前にアドバイスをもらうこともできますし、申請の許可・不許可の見込みも立てやすいです。
さらに、実績という点では取引先も一つの目安になります。
さまざまな業界や規模の取引先があれば、その分色々な事例を扱っているはずですし、信頼性のある行政書士といえるはずです。
許可率などの数字や取引先など目にみえる指標で選択するのも一つの方法です。また決裁を取る際も目に見える実績があると通しやすいのではないでしょうか。行政書士を選ぶ方法の一つとして実績を確認してみてください。
料金体系の透明性
選ぶ際には、料金体系が分かりやすいことも大事でしょう。
当初、想定していなかった書類を追加で作成することになったとき、追加で費用が発生することがあります。サービスに対して費用が請求されること自体は悪いことではないと思いますが、その追加費用について事前に説明がないと不信感が出てしまいます。
料金に対するサービスの範囲や追加費用が発生する可能性があるかどうか、事前に説明をしてもらえる行政書士を選ぶようにするのがよいでしょう。
コミュニケーションとサポート体制
単に手続きだけやってもらえればいいと考えている方であれば、あまり重要視するところではないかもしれません。しかし、やはり人と人ですので私個人はコミュニケーションを大事に考えています。
他の行政書士に依頼をしていたお客様からのお話で、案件以外の内容で少し聞きたいことがあっても回答してもらえないと伺ったことがあります。他にも比較的大規模な行政書士法人だと担当者が頻繁に変わり、引き継ぎができていないために、うまくコミュニケーションが取れないという話も聞きます。
ビザ手続きができていれば問題ないかもしれませんが、長く取引を続けていくことを考えると、取引先として難しさを感じるのではないでしょうか。
コミュニケーションに関しては、実際に取引を始めてみないと気づかないことも多く、事前に確認することが難しいとは思います。しかし、依頼をする前にメールや電話だけでなく、対面やWebでの面談を実施して担当者と話をしてみるのが良いと思います。
またお客様からのお話で、入管での申請を週に1回や2回決まった曜日にしか行わない行政書士も多いという話を聞きます。入国日が迫っていてすぐに申請をしてほしくても、申請の曜日まで申請をしてくれず、入国日に間に合うか心配したということもあるようです。
もちろん、その行政書士の方針によりますので、良い悪いということではありません。しかし、緊急性が高い案件に対してもすぐに対応してもらえるかは大事です。このようなサポート体制も依頼前に確認しておきましょう。
ビザ申請代理のリスクと注意点
ここではビザ申請を依頼するときのリスクや注意点について解説していきます。
無資格者にも関わらず代理申請を謳う業者の存在
繰り返しになりますが、ビザ申請は行政書士の資格をもった申請取次者でなければできません。稀に行政書士でもないのに、ビザ申請を業務として謳っているホームページを見かけることもあります。行政書士ではないところがビザ業務をサービスとして掲げているところは、行政書士が対応するのか注意した方がいいでしょう。
例えビザ申請自体は行政書士が行う場合であっても、個人情報などの秘密情報を行政書士でない第三者に開示してしまう可能性もあります。そのようなリスクも含めて行政書士ではないところに依頼をする際は慎重に検討してください。
また登録されている行政書士を日本行政書士会連合会のホームページから確認することが可能です。行政書士かどうかを確認したい場合は、ホームページを確認してみましょう。
日本行政書士会連合会 行政書士会員検索
個人情報の取り扱いに関する注意
ビザ申請には外国人の個人情報や受入機関の情報が必要です。
ビザ手続きを外部に依頼するということは、秘密情報を外部に提供することになります。情報漏洩などのリスクがないように、どのように情報を取り扱っているかやその体制が整っているかを確認することが大切です。場合によっては、実際にオフィスを訪問するのも一つです。オフィスのセキュリティ体制や情報の管理の方法などを確認することができると思います。
また、どこまでがビザ申請に必要な情報なのかも見極めることが必要です。必要ない情報の提供を求められていると感じたときには、なぜ必要なのかを聞いて納得のいく回答があるか確認してみましょう。
また、情報漏洩や不正利用を防ぐために、業務を依頼する前に守秘義務契約を締結することも検討しましょう。
成功保証や誇大広告に惑わされないために
ビザ申請は入管が審査を行います。入管では申請人や受入機関に関して、依頼を受けた行政書士でも知り得ない情報をもっている可能性があります。その情報によっては申請が不許可になってしまうこともゼロではありません。そのため、どんな申請であっても許可されることを保証することは絶対にできません。成功保証や許可率100%を謳っているようなところは注意した方がいいでしょう。
他にもインターネット上でよく見かけるのが、申請が不許可になった場合の全額返金制度です。申請が不許可になった場合でも料金が返ってくるのは、依頼する方からすると安心できるかもしれません。ただ、「万一不許可を受けてもお金が返ってくるからいいでしょ」というように、申請に対して少し無責任なように個人的には感じてしまいます。行政書士側に落ち度があった場合の返金は理解できますが、もし不許可になってしまった場合でも、行政書士として、プロとして許可を受けられるように対応した上で、前述のような行政書士でも知り得なかった情報で不許可になった場合は、そこまでの工数に対する料金は支払われるべきでしょう。逆に言えば、そこまでの自信がないから全額返金制度を設けているのではないかと思ってしまいます。
依頼する方の優先順位は異なりますので、どのような行政書士が合っているかはそれぞれでしょう。依頼を検討する際は、いくつかの行政書士と比較して決めるのがいいと思います。
さいごに
ここまでビザ申請代理サービスについて解説してきました。
ビザ業務をアウトソースした際のサービス内容やメリット、依頼先の選び方や注意点についてご理解いただけたはずです。
近年、外国人の増加に伴い、受入機関のご担当者の負担が増えてきているというお話をよく聞きます。ビザ業務に慣れていない方であれば、ビザ申請の手続きにとても多くの時間を費やしてしまうことでしょう。しかし、受入機関のご担当者はビザ業務以外にも多くの業務があり、ビザ業務により本来業務に時間を割けなくなっていることも少なくありません。これを機にビザ業務をアウトソースすることもご検討されてはいかがでしょうか。
ただし、依頼先を選ぶ際は慎重に選ぶようにしてください。
外国人が増えていることから需要があると考え、ビザ業務に参入する行政書士や弁護士も多いです。ビザ申請にはこれまでのノウハウや知識がとても重要になります。経験の少ない依頼先を選んでしまうと、想定以上に時間がかかったり、手続きがスムーズに進まなかったりすることがあります。複数の候補先と面談して専門性や信頼性などを比較した上で検討するようにしてください。
リガレアスは、日本ビザを専門に行っている行政書士事務所です。教育機関や企業、さまざまな業界や規模のお取引先様との実績があります。また就労ビザ、留学ビザ、家族ビザや永住ビザといったいろいろなビザ申請にも対応しております。
もしリガレアスのサービスにご関心がありましたら、以下のリンクからサービス資料をダウンロードしてください。

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・外国人のビザ管理や申請業務にかかる時間を大幅に削減
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記事を書いた人

1981年生まれ、千葉県出身。行政書士として約10年間勤務した後、DX化が進んでいないビザ業務を変えるため2019年にリガレアスを設立。Twitterでも積極的に情報発信しています。
1981年生まれ、千葉県出身。行政書士として約10年間勤務した後、DX化が進んでいないビザ業務を変えるため2019年にリガレアスを設立。Twitterでも積極的に情報発信しています。