ビザの申請代行依頼先を費用だけで選ぶ3つの落とし穴と選定ポイント
- 2022.07.28
- 2023.05.27
リガレアス行政書士事務所の広瀬です。
ビザ申請業務のアウトソースを検討する際、どのような基準で選んでいるでしょうか。専門性や実績、事務所の規模など色々な基準があると思いますが、その中でも費用だけで依頼先を選んでいませんか?
もちろん、費用面での検討も大切なことです。しかし、ビザ申請業務は専門性が高く、費用だけで選んでしまった結果、失敗するケースが多々あります。
そこで今回は、費用が安いというだけで選んでしまった場合に起こりえる失敗とアウトソースする際に失敗しないための行政書士の選び方を、ビザ業務を専門に行なっている行政書士が解説します。
これからアウトソースを検討している方や依頼先の選び方に悩まれている方など、本記事をお読みいただければ、ビザ申請業務をアウトソースする際の選定方法のご参考になります。
ビザ申請の専門家をお探しですか?
→リガレアス行政書士事務所の資料を見てみたい
目次
ビザの申請代行依頼先を費用だけで選ぶ3つの落とし穴
ここでは、費用だけで選んでしまった場合に起こりえる「業務工数の増加」、「追加費用の発生」、「申請の不許可」といった3つの落とし穴について見ていきましょう。今後、ビザ申請業務をアウトソースする際に失敗しないためにも、ご参考にしていただきたいと思います。
ビザ申請業務の工数増加
担当者の業務工数の削減が、ビザ申請業務をアウトソースする目的の一つである企業や教育機関は多いのではないでしょうか。しかし、アウトソース先を費用のみで選んでしまうと、その目的が達成されないこともあります。
例えば、入管への取次申請だけや書類のチェックだけを行うことで費用を安く提示している行政書士もいるようですが、このような場合、費用は安く抑えられたとしても、自分達で書類を作成しなければなりません。
また、ビザ取得要件といった一番難しい部分も自分達で確認しなければなりませんので、要件確認から書類作成、申請まで全て任せられる行政書士と比べて業務工数は多くなります。
さらに、自分達で申請準備を行うため書類が足りずに入管から追加資料を求められたり、要件の確認が不十分で申請が不許可になってしまうこともあるでしょう。追加資料の準備や不許可による受け入れスケジュールの再調整などが必要になることで、結果として業務が増えてしまいます。
ここで、書類作成のみを行政書士に依頼した場合と手続きの全てを依頼した場合の違いを表にして見てみましょう。
一部のみ代行行政書士 | 一括代行行政書士 | |
申請要件確認 | X 自分達で申請の要件を確認 | 〇 専門家が要件を確認 |
外国人とのやり取り | X 自分達で書類・情報収集 | 〇 やり取り、書類・情報収集も代行 |
書類作成 | 〇 行政書士が書類作成 | 〇 行政書士が書類作成 |
申請 | X 自分達で入管に申請 | 〇 行政書士が入管で申請 |
入管との連絡・交渉 | △ 申請後、必要があれば入管と交渉 | 〇 行政書士が入管と交渉 |
結果受け取り | X 自分達が入管で結果を受け取る | 〇 行政書士が入管で受け取り代行 |
このように一部の業務のみを請け負う(または一部の業務を請け負わない)ことで費用を安く提示している行政書士の場合は、想定していたような業務削減が実現できないことが多いです。
実際に別の行政書士事務所からリガレアスへ依頼先を変更していただいた企業や教育機関の方からお話を伺うと、「費用が安くても一部の業務を自分達で対応しなければならないために業務の削減が思ったようにできなかった」というご意見もありました。
費用が安くてもサービス内容が限定的であることで顧客が望んでいる対応をしてくれないことがありますので、費用だけでなくサービス内容も自分達に合ったものかを見極める必要があるでしょう。
ビザ申請代行料の追加費用が発生
前述のケースのように一部の業務のみを請け負うことで費用を安く提示している場合、料金体系が細かく設定されていることがあります。
例えば、書類のチェックだけを依頼するつもりだったのが、書類の不備を指摘されて、結果として書類作成や入管への取次申請を依頼することになると、追加費用が発生し当初の見積りより高くなってしまうこともあるでしょう。こうなると同じサービス内容でも、結果的に他の行政書士事務所より費用が高くなってしまうこともあり得ます。
事前にどの業務を依頼するのかが明確な場合は、必要なサービスのみを依頼することで費用を抑えることは悪いことではありません。
しかし、ビザ業務を依頼したいけれども費用も抑えたいと単に費用を抑えることが目的になってしまうと、追加で費用が発生し、結果として高くなってしまうこともあります。費用だけにとらわれずに必要なサービス内容とのバランスで選ぶのが良いでしょう。
担当する行政書士によっては不許可の可能性が高まる
ビザの申請は必要な書類を集めて提出するだけではありません。ビザ取得要件を確認し、必要書類を過不足なく準備して、場合によっては入管との交渉も必要になってきます。入管法の知識は当然ですが、法律だけでは分からない細かい審査ポイントの理解が必要で、これまでの経験がとても大事です。
しかし費用が安い場合、経験の浅い行政書士が業務を行なっていることがあります。経験が浅いと申請まで必要以上に時間を要してしまうことや質問に対して納得のいく回答がもらえないこともあるでしょう。
また、ビザ取得要件を誤ってしまったり、審査のポイントに合わせた書類が提出されなかったりすることで、最悪の場合には不許可を受けてしまうこともあるかもしれません。
他にも、費用を他社より安く抑えて薄利多売のような形で大量の案件を受注していることもあります。このような場合は一つの案件に十分な時間を割くことができず、サービスのクオリティが下がってしまいがちです。結果として入管での審査がスムーズに進まずに、追加資料の提出が求められ、最終的に不許可を受けてしまうこともあるかもしれません。
実際にリガレアスにご相談をいただいた企業や教育機関の中にも、「別の行政書士事務所では費用は安かったが、対応が遅く、コンサルテーション時にも納得のいく回答がもらえず、不安になった」というお話もありました。
このように費用だけで選んでしまうと、経験や専門性の低い行政書士に当たってしまったり、サービスのクオリティが十分でないこともあり、申請がスムーズに進まないこともありますので、依頼する際は専門性やサービス内容を確認することが大切です。
ビザ業務のアウトソース先の選定でお困りですか?
・入管出身者が顧問として在籍する日本ビザ特化の行政書士事務所
・高いビザ許可率を実現
・申請業務にかかる時間を大幅削減
自社/自校に合う依頼先を見極めるポイント
ここまで費用だけで選んでしまった場合に起こりえるリスクを説明してきましたが、ここからは自社/自校に合う依頼先を選定するポイントを解説していきます。
専門性
ビザ申請業務をアウトソースする際に、申請の許可・不許可は関係ないという方はいないでしょう。専門家にアウトソースするのですから、許可がもらえることを期待して依頼するはずです。
前述したように、ビザ申請は必要な書類を集めて、それを提出するだけで許可がもらえるわけではありません。ビザ取得要件の確認や過不足のない書類の準備が必要です。そのためには、法律の知識だけでなく、それまでの経験などによる細かい審査のポイントの理解も必要で、専門性がとても大事になってきます。
申請書類の作成や入管への申請など、同じサービスを提供する行政書士であっても専門性の高さによって手続きのスムーズさや審査結果にも影響がありますし、一般的に考えても専門性の高い行政書士の方が、申請がスムーズに進み、許可を受ける可能性が高いでしょう。
専門性は目に見えないもののため、見極め方は簡単ではないと思いますが、やはりまずはホームページを確認することです。ホームページ上でサービス内容や実績などを確認することが、専門性の高さを見極める一つの手段になります。
しかし、ここで少し厄介なことがあります。ビザ業務だけをサービスにしている行政書士であれば専門性の高さは期待できると思いますが、行政書士の業務範囲は多岐に渡り、ビザ業務以外のサービスを提供している行政書士は多いです。
総合型行政書士 | ビザ専門行政書士 |
△ ビザ業務の経験が少なく、 対応できない案件があることも | 〇 さまざまなケースを扱っているため、 特殊なケースにも対応可能 |
X 手続きに慣れていないとスムーズに進まない | 〇 慣れているので手続きが迅速 |
X ビザ以外の情報は持っているが、 ビザに関する情報が少ない | 〇 ビザに関する情報量が豊富で、 最新情報収集が早い |
〇 ビザ業務以外も対応可能 | X ビザ業務以外に対応できない |
近年外国人が増加していることから、経験があまりない行政書士もビザ業務に参入していることがあるため、ビザ業務以外の業務を行なっている行政書士の場合は、その専門性を見極めることが難しいことがあります。もちろんそのような行政書士でもビザに関する専門性が高い方もいますので、専門性の見極めは慎重に行いましょう。
最近ではブログなどの記事を執筆している行政書士も多いので、ビザに関する記事を執筆しているかや、その記事の内容から専門性の高さを検討することもできると思います。
それでもホームページだけで判断が難しい場合は、電話や面談などで問い合わせ、直接話をしてみると良いでしょう。直接話をすることで知識やノウハウ、これまでの実績などが分かることもあります。
このように、アウトソースする行政書士の専門性を見極め、安心して業務を任せられる行政書士に依頼することをお勧めします。
費用とサービスのバランス
「手続きが初めてなので代行を依頼したい」、「担当者の業務工数を減らしたい」、「コンプライアンス上問題がないように手続きをしたい」など、行政書士にビザ業務をアウトソースする背景はさまざまです。
前述のように費用だけで選んでしまうと、当初期待していたサービスを受けることができず、アウトソースする目的を達成できないことがあります。そのため、まずは自社/自校がアウトソースする目的・課題を明確にし、その目的を達成できる行政書士を選ぶことが大切です。
また、自社/自校が必要としているサービスをどのようなクオリティで提供してくれるのかサービス内容を比較し、その後にサービス内容に対して費用が妥当かどうかを検討するのが良いでしょう。
ホームページだけではサービス内容を詳しく把握することは難しいので、サービス内容を詳しく確認するためには、対面やWebなどで面談をするのがお勧めです。自社/自校が抱える課題に対するヒアリングや提案を受けることで、さらにマッチングが高くなるはずです。どこも同じと思って、単に見積もりだけ取り寄せて費用のみで比較検討するのはお勧めしません。
このように、まずはサービス内容を比較検討した上で、サービス内容に対する費用のバランスを検討しましょう。単に費用の安さだけを売りにするようなところは注意したほうが良いです。
信頼性
信頼できない人に大事なビザ手続きを依頼したいと考える人はいないと思います。特に長期的に取引を継続していく場合には信頼性はとても重要です。
信頼性は長期的な関係性の継続の中でわかる部分が多いので、すぐに判断することは難しいでしょう。それでも、しっかりとヒアリングを行い、事前に費用の案内や手続きの流れについて丁寧な説明があるかどうか、また不許可の可能性がある場合は事前にその理由や具体的な説明があるかといった点である程度判断することはできると思います。
信頼性は対応する行政書士の人間性が出ると思いますので、ここでもやはり面談や電話などで直接話しをすることをお勧めします。
実際に話をする際に気にしていただきたいのが、「絶対」や「必ず」という言葉です。どんなに許可の可能性が高くても、申請に100%はありません。このような言葉を使って依頼を受けようとしている行政書士がいる場合は注意した方が良いでしょう。
信頼性は専門性と同じように目に見えないものですし、人によって感じ方が違うので比較基準はありません。それでも実際に話をしてみれば、丁寧に説明し誠実に対応してくれるかどうかで判断できるところはあります。自社/自校にとって安心して任せられる行政書士を選びましょう。
さいごに
今回は、ビザ業務をアウトソースする際に費用だけで選んでしまうリスクや依頼先を選定する際のポイントを解説しました。
専門性や信頼性といった目に見えないものですので単純な比較は難しいものです。そのため、どうしても目に見える費用で比較してしまいがちですが、「安かろう悪かろう」という言葉があるように費用のみで比較をしてしまうと、そもそもアウトソースする目的を達成できなかったり、申請が不許可になったりというリスクもあることをご理解いただけたかと思います。
そのようなことにならないためにも、ホームページや実際に面談などで話をすることで専門性やサービス内容などを把握し、しっかりと比較検討することが必要です。
こちらの記事では、行政書士へ依頼するメリットやデメリットについて解説しています。ビザ業務をアウトソースすることを検討されている方はこちらもお読みください。
リガレアス行政書士事務所は、ビザ業務に特化した行政書士事務所で、その専門性の高さには自信を持っています。また、ビザ業務を単なる書類作成や入管への申請と捉えるのではなく、企業や教育機関の課題に沿ったご提案をし、課題解決まで伴走することも特徴の一つです。常に安心して依頼いただける行政書士事務所であることを心がけています。
リガレアス行政書士事務所のサービスにご興味がありましたら、下のボタンからサービス資料をダウンロードしていただけますと幸いです。
記事を書いた人
1981年生まれ、千葉県出身。行政書士として約10年間勤務した後、DX化が進んでいないビザ業務を変えるため2019年にリガレアスを設立。Twitterでも積極的に情報発信しています。
1981年生まれ、千葉県出身。行政書士として約10年間勤務した後、DX化が進んでいないビザ業務を変えるため2019年にリガレアスを設立。Twitterでも積極的に情報発信しています。